暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第2話
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「って、私っ!?」

自信の状況に気がついたフェイトは顔を赤くして身じろぎする。

「くっ・・・あんまり暴れないでくださいよ、落としちゃうから。
 ってか、降りてもらっていいですか?」

「あ、うん。降ろしてくれていいよ」

フェイトがきょとんとして頷くと、シンクレアは膝を折ってフェイトの足を
地面へと降ろし、フェイトは自らの足でしっかりと立った。
するとシンクレアがへなへなと地面に腰をおろしてしまい、フェイトは慌てて
シンクレアの側に屈み、その顔を覗き込む。

「どうしたの、シンクレア!? どこか怪我でもした?」

切迫感のある声で尋ねるフェイトに向かってシンクレアは苦笑を向けた。

「そうじゃないんです。 ちょっと身体に負荷かけすぎちゃって」

「身体に負荷って・・・どういうこと?」

シンクレアの答えにフェイトの目がスーッと細まる。

「別に、お話しするようなことはないですって」

フェイトに詰め寄られて、少し後ずさりつつ手を振って否定するシンクレア。

「何があったのか教えて、インヴィンシブル」

《落ちてきた岩につぶされそうになっていたフェイトさんを助けるために
 マスターはカートリッジを4発ロードしてブースト魔法を使用されました》

「なんですって!? そんな無茶して!!」

インヴィンシブルの答えを聞いたフェイトはシンクレアの顔を睨むように見る。

「うぉーいっ! なんで喋っちゃうんだよ、インヴィンシブル!」

《何があったのか教えろと言われましたので》

「左様でございますか・・・」

慌ててインヴィンシブルに詰め寄るシンクレアであったが、
冷静に返答されてガクッと肩を落とした。
そんなシンクレアの顔をフェイトが覗きこむ。

「ダメだよ、シンクレア。 4発ロードなんて無茶しちゃ」

「普段ならやらないんですけどね。でも、あなたの命がかかってましたから」

シンクレアの言葉にフェイトは目を見開く。

「私の、命・・・って、やっぱり私を助けるために?」

フェイトの問いかけにシンクレアは真面目な表情で頷いた。

「ええ。 あのタイミングではあれでも間に合うかギリギリだったですから」

「なんで、そこまでして・・・。私なんかのために・・・」

伏し目がち、俯きがちになりながらフェイトは小さく呟くように言った。
それに対して、シンクレアは満面の笑みを浮かべた。

「私なんか、なんて悲しいこと言わないでください。
 なのはさんやはやてさん、それにゲオルグさんに比べたら俺がフェイトさんと
 知り合ってからの時間なんて微々たるもんですけど、それでもフェイトさんには
 生きていてほしいって、そう思いましたから」

シンク
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