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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第2話
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ェイトさん・・・っ!?」

悪態をつきながらフェイトの方を向いたシンクレアの目に、
フェイトの上に落ちつつある大きな岩塊が飛び込んできた。

フェイトは自分自身の作業に没頭していてそれに気づいているようには見えない。

(くっ・・・あれじゃ、フェイトさんがつぶされてしまうっ!!)

「インヴィンシブルっ! カートリッジロード4発っ!!」

シンクレアは立ち上がりながら声を張り上げてインヴィンシブルへと指示を出す。

《マスター。 4発ロードはマスターの肉体への負荷が大きすぎます》

だが、インヴィンシブルは冷静にその行動の問題点を指摘する。

「うるさいっ!今はそんな議論をしてる暇はないから、さっさとロードするんだ!」

シンクレアは焦りから相棒たるインヴィンシブルに向かって咆哮する。

《了解、しました》

シンクレアの剣幕にインヴィンシブルはその要求を承知した。
直後、インヴィンシブルのカートリッジシステムが立て続けに4度作動する。

「スピィイード・ブゥウストォオーっ!!」

そしてシンクレアは地面を蹴り、フェイトに向かって飛び出した。

「間に合えぇえええっ! フェイトォオオオっ!!」

叫ぶシンクレアの視線の先に居るフェイトは一心不乱にキーボードを叩いていた。
そして不意にその手が止まり満足げな笑みを浮かべた。

「終わった。 これでもう大丈夫だね」

そのフェイトの耳に上から何かが崩れるような音が届き、フェイトは上を見上げた。

「えっ・・・?」

彼女の視界いっぱいに落下する岩塊が迫っていた。
もはや逃げるにも時間が足りず、彼女はただ茫然と自らを押しつぶさんとする
岩塊を見つめていた。

「ごめんね、なのは、はやて」

呟くように言ったフェイトの目には涙が浮かんでいた。

次の瞬間。
フェイトは横からの衝撃を受けて吹き飛ばされた。
直後に岩塊が地面に激突し、轟音を立てながら崩れ落ちる。

「えっ?」

その様をフェイトは少し離れたところから見ていた。

「私・・・なんで?」

「ふぅ・・・何とか間に合いましたね、フェイトさん」

頭の上から声がして、フェイトはそちらに目を向ける。

「えっ、シンクレア? なんで?」

視界にシンクレアの顔を収め、フェイトは目を丸くして意外そうな声をあげる。
そんなフェイトの様子をシンクレアは微笑を浮かべて見つめていた。

「危ないとこでしたね。 まあでも、間に合ってよかったです」

「間に合う? 何が?」

状況を把握しきれていない周囲を見まわす。
すると、自身の背中と膝をシンクレアの腕に抱きかかえられていることに気がつく。
いわゆるお姫様だっこの態勢である。


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