暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第2話
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レアの祈るような言葉にフェイトは呟くように応じた。
そのときバルディッシュが通信のあることを知らせ、ウィンドウが
フェイトの前に開いた。

『よかった。ようやく通信がつながったね、フェイト執務官』

ウィンドウの中に姿を現したのは微笑を浮かべたヴェロッサだった。

「アコース査察官? 強力なAMFがあるはずなのになんで通信がつながるの?」

『このアジトの設備を動かしていた戦闘機人を僕が倒したからね』 

首を傾げて尋ねるフェイトに対して、笑みを深くしたヴェロッサが答える。

『ちなみに、シャッハも戦闘機人を一人捕えたようだね。 ところで・・・』

そこで、ヴェロッサは笑みを消して真剣な表情を浮かべる。

『僕が捕えた戦闘機人の頭の中を覗いたんだけどね、
 このアジトには戦闘機人の素体にするための魔導師が保管されているらしい』

「それなら私が見つけました。 生体ポッドに収められた状態で何人も。
 元ゼスト隊の隊員で行方不明になっていた人物もいるから、間違いないと思う」

フェイトがウィンドウの中のヴェロッサを真っ直ぐに見つめながら言うと、
ヴェロッサは先を越されたことに落胆したような顔をする。

『なんだ、もう見つけていたのかい。ならもう一つ。
 このアジトなんだけどね、どうも・・・』

そのとき、アジトが振動を始めヴェロッサの言葉が止まる。
フェイトが周囲をくるくると見まわしていると、
苦笑したヴェロッサが再び話し始めた。

『アジトが崩壊する仕掛けがあるらしい』

「崩壊!? じゃあこの振動は?」

『恐らくその仕掛けが動き始めたということだろうね』

「その仕掛けの情報はないの?」

『ちょっと待ってくれよ・・・今送った』

早口でヴェロッサと言葉を交わしていたフェイトは、バルディッシュに
ヴェロッサから受け取ったデータを表示させる。
どのような仕掛けなのか、フェイトはデータを分析していく。

(これなら、手早く解除できそうかな・・・)

頭の中で解除方法を組み上げたフェイトは、データが表示されているウィンドウに
走らせていた目をヴェロッサに向けた。

「私が仕掛けを解除します。 アコース捜査官、あなたは退避してください。
 シスター・シャッハにもその旨連絡をお願いします」

フェイトが決意を抱いてそう言うと、ウィンドウの中のヴェロッサは
厳しい表情を浮かべた。

『何を言ってるんだ、君は。 私やシャッハと同じく君も脱出するんだ』

声を荒げるヴェロッサに対してフェイトは首を横に振る。

「ダメだよ。ポッドの中の人たちは生きているかもしれない。
 この人達をおいてはいけないよ」

そう言ったフェイトの目には強い意志の炎が
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