全ての予兆
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『なに、罵るつもりはない。寧ろ当然の事だ。もし逆に喜ぶと言うのならオレはそんな奴とは組むつもりはない』
意外な言葉だった。セイバーの性格ならこれぐらいでビビるな!と叱咤されるかと思ったが…。
その時だった。
「マスター諸君、今し方は見苦しい所を見せてしまい申し訳なく思う。暴れたサーヴァント二名の処遇はマスターも含めた失格という形をとらせてもらった。又、失格者の対戦相手については不戦勝。そして、破壊された床や壁はすぐに修復するので少し待ちたまえ」
野次馬の後ろから声が上がった。一斉に振り返る野次馬達。目の前には不敵な笑みを浮かべる言峰神父が立っていた。ちょうど良い。対戦相手の事を訊いてがてらさっきの事を聞いてみよう。
俺は人込みを何とか抜けながら、言峰神父の元へと辿り着く。
「白羽 優ではないか。どうした?」
言峰神父は俺を見るなりまた怪しく微笑んだ。やっぱりこの人は苦手だ、と思いながら対戦相手の事を訊いてみた。
「対戦相手が通達されていないだと?先程の戦闘が関係あるのかもしれないな」
少し待ちたまえ、と言うとスッと目を閉じた。何が起こってるんだ?と疑問に思いつつ神父を待つ。数秒後、神父は目を開けた。
「どうやら不具合が生じ、君とその対戦者には通知が行っていないらしい。すまないが、明日まで待ってくれ。それまで、アリーナで時間を潰すというのはどうだ?」
アリーナ。サーヴァントを鍛える為の場所と言った方が簡単だろうか。アリーナには敵性プログラムと呼ばれるエネミーが放たれており、それを倒す事でサーヴァントの経験値やこの学校で使える通貨等が手に入るらしい。
それと、たまに礼装という物もあり、道中のアイテムボックスに設置されている。これは体に身につけることで自分の魔力をアップする事ができたりとか、魔術を放つ事ができるそうだ。
「分かりました。ところでなんでこんな事態が?」
「噂で聞いた通りだ。一人のマスターが敵サーヴァントに襲われたのだ。護衛に回っていたサーヴァントがそれに反撃。戦闘に発展した」
言峰神父はそこで話を止めた。戦闘を止めたサーヴァントの事を言わないのだろうか。ここを仕切る神父ならことの結末を見ているはずだ。
「この場を収めたマスターとサーヴァントの事は言わないんですか?」
すると、神父は笑みを深めた。
「言ってみるのも一興だが止めておこう。相手が最後まで分からない方が面白味があるというものだ」
こっちとしては全然面白くない。なんせこっちは命がかかっている。楽しみつもりもないし面白がるつもりもない。
「相手を詮索するのも良いが、周りを確認する事を勧める」
神父はそう言うと、俺の後ろの方を見た。俺もその視線に気づき、後ろへと視
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