暁 〜小説投稿サイト〜
一年一組相川清香、いっきまーす。
その二
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ていたかのように私たちに試合開始の合図が告げられた。

試合開始の合図とともに私は機体を左に滑らす。
私の行動に合わせオルコットさんが構えるライフルの銃口が動くのが見える。
オルコットさんとの攻撃が来る! と直感とか予感とかそんなものが私の頭をよぎる。
背筋がざわめくような感覚があるが、どうにもこれには慣れそうがない。
私はスラスターを吹かし自分が空中に描こうとしていた曲線から軌道をずらす。
すると私の左を青い光が通り過ぎた。
オルコットさんのライフルから放ったレーザーの光だろう。
私は機体を減速し身体を翻す。
そして今度は右へと機体を降った。
ついでにオルコットさんを攻撃しようと狙いを定めるが、またイヤな感覚が私を襲う。
またオルコットさんの攻撃が来るの? オルコットさん、私が思っていたよりも照準速度が早いと感じた私はしようとしていた行動をキャンセルしてオルコットさんの攻撃を回避することに専念する。
私はスラスター吹かし機体を加速させる。
オルコットさんの背後を取れれば最高だけど難しいだろうな。
私はまたスラスターを吹かし軌道を修正。
横移動から縦移動へと軌道を変える。
私の右側を再び青い光が掠める。
私がこうして忙しく動いている間もオルコットさんの機体は最初の位置から動いていない。

「なめないでよ!」

私は叫ぶと同時にマシンガンの引き金を引く。
銃口が三度炎を吐き、軽い衝撃が身体に伝わってくる。
曳光弾を含む銃弾が飛んでいく軌跡を光によって私に教えてくれる。
銃弾がオルコットさんへとまっすぐ向かっているのが見えたが、それがわかってでもいたかのようにオルコットさんは動き出す。
その動きは上昇しているように見えるが距離を取るような動きに感じた。

『驚きましたわ。とても素人の動きには見えませんわね』

なんてオルコットさんの言葉が聞こえてくる。
戦いながら話をする余裕があるなんてさすがはイギリスの代表候補生といったところか。
私は結構ギリギリでガンバっているっていうのに……。

「当たり前でしょ? 私は織斑先生と山田先生のあの地獄のと……じゃなかった、熱意溢れる指導を一週間も受け続け、天国に逝くときにみるという走馬灯を何度も、何度も、何度も見るハメになったんだから」

「それくらいしていただかないとクラス代表を決める試合がすぐに終わってしまってはつまらないですわ。あなたの努力はわたくしが認めて差し上げます。お遊びはこれくらいにして、イギリス代表候補生であるセシリア・オルコット、本気を出させていただきます」

とオルコットさんが言った瞬間、機体から何かが切り離される。
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