志乃「私としては――」
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仲良いな。平和すぎて戦争の影すら見えないよ。
それらに適当な相槌を打ち、俺は夜飯にありついていたのだが――
そこで、隣でテレビを見ていた志乃がいつのまにか姿を消していた事に気付いた。
最初はトイレにでも行ったのかと考えたのだが、いつまで経っても帰って来ない。部屋に戻ったのかもとも予測したのだが、それにしては階段の音があまりにも聞こえなさすぎた。俺は両親のウザったい会話を確かに聞いていたが、その中に階段の板を叩く音は聞こえてこなかった。まるで、誰にも気付かれないように忍び足で上ったかのような……。
そこまで考えて、俺は一つの嫌な予感にぶち当たった。それは、あまりに単純であまりに理屈の合いすぎた予感だった。
それを確認すべく、残った夜飯を口にかきこみ、急いで二階に向かった。背中が無意識にブルリと震えた。まさか、そんな事ある筈が無い。だって、約束しただろうが……!
そして階段を上り切って目の前の自室のドアを静かに開けた。なお、俺は最後に入った時、ドアを閉めていなかった……。
俺はその先に広がる光景を見て、やはりな、と意外に冷静な感想を抱いていた。それは、大体予想がついていたからこその反応だったのかもしれない。表向きはそんな筈ないと思い込んでいながら、やはり分かっていたのだ。
案の定、俺の部屋には来客がいた。電気が点けられた部屋の中で、空気に溶け込むように静かな志乃が、一つのバッグの中を覗いたまま沈黙していた。
「……志乃」
とりあえず、そう声を掛けてみる。俺は別に怒っていない。志乃がずっと気にしていてそわそわしている事には気付いていた。でも、バッドエンドを迎えた時の対処が分からず、後回しにしてしまっていた。故に、志乃にこうした行動を取らせてしまったのだ。俺にも非があるのは間違いない。
「志乃」
もう一度呼び掛けてみる。応答は無い。目の前で、バッグの中を見た態勢で固まっている。
そこで、志乃の顔を見るべく身体を志乃と同じように丸め、静かにその顔を覗き込んだのだが――それを見て、俺は息を殺した。
志乃が、泣いていた。
肩を微妙に震わせながら、静かに泣いていた。
俺はそんな妹に対しどう対処すればいいか分からず、ただ呼びかける事しか出来なかった。
でも、志乃は一切こちらに目を向けず、目から大粒の涙を溢れさせながら、口をわなわなさせていた。意識が一点に集中していて、俺の声も届いていない。
そんな志乃を見て、俺は結論を出す。
俺達の作った作品が、壊れてしまったのだと。
そこで、俺はただただ涙を流す志乃の先にあるバッグの中を覗いてみた。志乃はそれでも反応を見せず、固まったままだったが。
そして、見た瞬間、頭がツー
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