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乱世の確率事象改変
強いられた変化
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、華琳は口の端を歪めて楽しげに笑った。

「ふふっ、話が早くて助かるわ。この工房は秘密裏のモノだからねずみ一匹入り込めないものね。今日の昼、ねずみが城の網に掛かった。吐かせたら旧き龍が怪しい動きを見せてるとの情報が出てきたわ。他のねずみを情報操作の為にある程度泳がせたいから此処に来たというわけよ」
「城にねずみを入れて大丈夫なのか?」
「私に対する暗殺など日常事よ。それに対しての手は普段から欠かさず打ってある。それよりも……月と詠が問題なの。ああ、今は侍女仕事を止めさせて別室に移しているわ。元より風がわざと泳がせているねずみ達には、月も詠もバレてない。でもこれからは少し……危ういのよ」

 淡々と続けられていた会話が、そこで途切れた。真桜はゴクリと喉を鳴らす。秋斗が、華琳と同じレベルで話をしているのが、只々異常だった。
 
「……次の戦場近くで真桜と共に兵器の改善を行いつつ二人を守れ、んで……朔夜と詠に個別で袁家対策案を練り上げさせる、最後に……元譲の手伝いをしてた俺に兵の練度と士気を維持させる。そういう事、だな?」
「さすがに朔夜が兄と認めるだけはある、か。その通り。あなたと真桜、あの二人と朔夜には明日にでも官渡に向かって貰う」

 驚愕をそのまま表情に表した真桜は、化け物を見つめるような目で秋斗を見やった。先程まではただの気安く話せる男であったのに、と。
 気にすることなく、秋斗は目を細めて言葉を紡いでいく。

「すまん。さすがに街で動き過ぎたな。黒麒麟がこの街に居ないと分かれば戦の時機が早まるだろうに」
「いいのよ。一歩一歩、ゆっくりと治世の改革は進んで行くモノ。出来る限り早い内に手を付けるのは間違いじゃない。それに……戦の時機が早まるのも予測の内よ。私を誰だと思っているのかしら?」

 ふっと、秋斗は笑う。目の前の華琳は先程までの――友人と言うには些か距離が遠いが――楽しい人では無いのだと分かって。しばらくは楽しくて優しいやり取りは出来ないのだと理解して。
 す……と目礼を一つ。膝に手を置き、姿勢を正し……仕えていない身なれど、覇王の指示に従うと示す為に。
 華琳は、よろしい、というように満足げに頷いて返した。

「と、いうわけで……真桜、そんな感じよ。あなたの技術力を信頼してるから何も言わない。報告の仕事は徐晃に取られてしまったけれど、あれで問題は無かったかしら?」
「ええ、あの通りでした……けどっ、ちょっと待ってください華琳様! なんで兄やんは記憶無くしとるのにこんなに……」

 どう表現していいか分からず言葉に詰まった。秋斗は別に気にする事は無いと我関せず。
 華琳は……不敵に笑った。

「徐晃はこういう男、それだけでいいじゃない」

 意味は理解出来なかった。
 華琳がそれ以上言わな
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