暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
アカデミー編
友達
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
知らないっすけど、俺の父親に聞いた限り、180よりは上っぽいっす」
「凄い?」
「まぁ、凄いんじゃないんすかね」

 調子狂うなぁ、と思いながらも頭をかいたシカマルに、カトナは少し意外そうに首を傾けた。

 「ナルトの友達でいてくれるなら、なんでもいいよ」

・・

 繰り広げられる試合に、日向ヒナタは息を呑みつつ、金色の少年を見つめた。
 予行演習、どうせ、うちはが勝つ。体術だけだから、負ける。
 試合が始まる前に確かに響いていたそんな声の持ち主は黙り込み、誰もが目の前の戦いに見ほれた。
 忍術VS体術。
 そんな言葉が似合うような、そんな試合が繰り広げられていた。
 うちはサスケが忍術を使い、うずまきナルトが体術を使う。
 どう考えても、圧倒的にうずまきナルトが不利なこの状況。両手が義手で体術しか使えない。体術も忍術も使えるサスケと比べれば、どう考えても不利だ。
 なのに、一歩も物怖じしない。負けるなんて微塵も思っていない。何度吹き飛ばされようと、何度拳が防がられようと、彼の歩みは止まらない、彼の目は死なない、彼は、諦めない。
 ヒナタは柔拳を使う。だからこそ、ナルトが今行っている体術が如何に洗練されていて、それ以上に、サスケの忍術を捌く体術が素晴らしい物であるのがわかる。
 拳が、空を切る。
 ナルトの体に、サスケの蹴りが叩き込まれ、忍術がもろにあたる。
 直撃。
 しかも、うちはサスケの得意技、豪火球の術である。直撃だったせいか、いくつかのやけどを負ったらしく、ナルトの口から小さな悲鳴が漏れる。
 もう駄目だと、誰もがこの勝負に見切りをつけたなか、一番危機的な状況である、ナルトだけが、諦めていなかった。
 誰だって諦めても仕方ないような状況なのに、なのに、彼は諦めない。
 ヒナタが拳を握りしめ、小さく言葉を漏らす。

 「ナルトくん、がんばって…」

 小さなその声は、きっと元気な彼の耳には届かなかっただろうけれど。
 にっ、と元気そうに彼は笑った。
 次の瞬間、一気にその場を駆け抜けると、勢いよく、サスケの足に向けて。
 ナルトの蹴りをサスケがかわして忍術を叩き込もうとするが、追撃が来る。
 二合三合、四合。防がれて防がれて防がれ防がれて、それでも、諦めない。
 何度も何度も何度も何度も、ナルトの拳がサスケに向かう。そしてついに、ナルトの拳がサスケの鳩尾に深く叩き込まれる。
 一瞬の沈黙の後、サスケの体が少し沈み、審判がサスケに確認を取る。

 「優勝者は、うずまきナルト!!」

 優勝は、誰もが予想していなかった、うずまきナルトのものだった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ