第六十八話
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けていった。恐らくは氷上に直接乗っても大丈夫かチェックしたのだろうが……立ち上がろうとしてはもう一度転けると、雪上に頭を突っ込んでいた。
「冷たっ!?」
「おい、レコン……」
たとえ凍りついた湖がいくらプレイヤーが乗っていても大丈夫だろうと、氷上装備など持ってきてはいないのだから、転けるのは当然だった。何とも言えない気持ちで雪に頭を突っ込んだレコンを手早く救出すると、雪が降り積もっている凍りついた湖を注意して直進することにする。
「ごめん。ちょっと慌ててた……」
うん、分かってた――とレコンの謝罪に対して俺とリズは同じことを思ったものの、「ま、気にするなよ」というだけでその場は終わらせることにした。数回豪快に転けたレコンのHPは少し減っており、先頭を歩きながらもポーションを口に含んでいる。レコンのHPが回復するまで、しばしこの凍りついた湖を見ていたかったものの、残念ながら邪神がいつ来るか分からないので先は急がねばならない。
凍りついた湖のことを断念して先に急ぐと、そこで見た光景は――
「邪神……!」
――青みがかった灰色をした邪神の姿だった。ボスモンスタークラスとの実戦経験が乏しい、リズの驚愕する声に心中で同意しながら、俺たちは近くにあった枯れ木の影に隠れた。アインクラッドのボスクラス以上の威圧感を誇る『ソレ』は、まるで小さな山のような様相を呈していた……それが二体。
人型に見えなくもない姿をした大剣を持った四本腕の三面巨人と、宙に浮かんでいて大量の爪を持った触手を蠢いている象のような邪神。モンスター同士の戦闘でもしているのか、邪神同士で殴り合っていてこちらには気づいていない。周囲に被害を撒き散らしながら、スケールの大きい戦いを続けていた。
「一体ならまだともかく、二体いっぺんにいるなんて聞いてないわよ……」
「ああ、でも二体で戦ってる間に通り抜ければ……どうした、レコン」
邪神同士の戦いを眺めている俺とリズとは違い、何やら思索に耽っているレコンにどうしたかを問う。先程転んだHPは回復したらしく、空のポーションが雪上に不法投棄されていた。
「いや、邪神同士の戦いなんて聞いたことなかったからさ……モンスター同士が戦うなら、幻惑魔法か呪歌をかけてるプレイヤーがいる筈なんだけど……」
レコンはそう言ったものの、付近にそう言ったプレイヤーは見つからない。キリトは確か幻惑魔法が得意なスプリガンだったと思うが、奴がこんな真似が出来るほど魔法を得意としている訳がない。それに、いるかもしれないプレイヤーのことより、キリトたちとの合流の方が重要な話だ。
「それよりレコン。キリトとリーファの位置は?」
「あっ、ええと……」
自身の闇魔法で作り出したレーダーの役割
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