暁 〜小説投稿サイト〜
他人は占えても
第三章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
すか」
「よかったら。占ってくれませんか」
「いえ」
 由佳里は篤弘のその言葉に首を横に振る。それから言うのだった。
「その必要はありません」
「といいますと」
「何故なら。その方もまた貴方を」
「私を」
 篤弘はじっと彼女の顔を見て述べる。
「気になっているからです」
「そうだったのですか」
 篤弘はそれを聞いて息を飲む。その中で全てを理解した。
「では私達は」
「お互いに。宜しいでしょうか」 
 じっと彼を見て言う。
「二人で」
「はい、二人で」
「こういうことなのです」
 マスターは隣同士の席でじっと見詰め合いながら話をする二人を見ながら言った。
「自分は占えなくても。何もわからなくても実るものがあるんですよ」
 それが恋ということであった。


他人は占えても   完



                  2007・9・3

[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ