第三章
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すか」
「よかったら。占ってくれませんか」
「いえ」
由佳里は篤弘のその言葉に首を横に振る。それから言うのだった。
「その必要はありません」
「といいますと」
「何故なら。その方もまた貴方を」
「私を」
篤弘はじっと彼女の顔を見て述べる。
「気になっているからです」
「そうだったのですか」
篤弘はそれを聞いて息を飲む。その中で全てを理解した。
「では私達は」
「お互いに。宜しいでしょうか」
じっと彼を見て言う。
「二人で」
「はい、二人で」
「こういうことなのです」
マスターは隣同士の席でじっと見詰め合いながら話をする二人を見ながら言った。
「自分は占えなくても。何もわからなくても実るものがあるんですよ」
それが恋ということであった。
他人は占えても 完
2007・9・3
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