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相棒は妹
志乃「じゃ、やるか」
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う言って志乃は俺の部屋を出て、自分の部屋に向かって歩を進める。慌てて後を追って、俺は数年ぶりに妹の部屋という未知なる領域に到達した。

 最後に入ったのはいつだろうか。いや待て、志乃に自分の部屋が作られたのは中学からだった筈。だとすると……

 「俺、初めてこの部屋入るんじゃん……」

 「そりゃそうでしょ」

 数年ぶりとか調子こいてた。俺一度も入った事無かったよ!なんかすげえ悲しくなったぞおい。

 だが、視界に広がる妹の部屋は、俺が想像していた物とは違った。俺の家の二階はトイレを除いて全て畳が敷かれた和室となっている。当然志乃の部屋も和室であり、一面に畳が敷き詰められているものだと考えていたのだが、それは間違いだった。

 何故なら、志乃の部屋は元が和室であったと想像させないぐらいに――女の子の部屋だった。

 約八畳の部屋全体に水色の毛布的なシートが被せられている他、幾つかの棚にぬいぐるみが置かれている。また、部屋の隅には志乃の実力を証明するピアノが佇み、その隣に構えているタンスと並んでいる。どこか違和感が湧き出たツーショットだ。

 そのピアノの反対側には、天井の八割ぐらいまで大きい本棚が設置されている。そこには数多くの本――漫画や一般小説、ライトノベルや音楽関係の雑誌――が丁寧に並べてあった。入口から見て右側にある窓の右横に勉強机があり、手入れされた他の家具とは違い、ここだけ異常に汚かった。この間学校で貰った検定申込み用紙がぐしゃりとなったまま教科書の下敷きになっている。うわ、俺より汚ねぇよ。


 「そっちは見なくて良いから」

 突然聞こえた志乃の声に思わずビクっとしてしまう。いや、目潰しされるかと思って。

 「大丈夫、目潰しじゃなくて火炙りだから」

 「心を読むな!それと火炙りって、俺を家ごと燃やす気かよ畜生!」

 そんないつものやり取りを終え、志乃はゆっくりと歩き出し、ピアノの前で足を止めた。そしてピアノの椅子に置いてあった直方体の箱を持って俺の方に戻ってくる。

 ここからではパッケージが見えない。志乃の胸に抱かれており、裏の絵柄も腕で上手い具合に隠されているのだ。

 そして、志乃は俺と話せる距離に来て、ようやくその箱の正体を明かしてくれた。それを見て、俺は思わず息を飲んだ。

 「おい、これって……」

 それは俺がこの一週間追い求めていたもの。それを見つけて、喧嘩していた志乃との仲を修復したいと考えていたもの。何より、この先の手順を踏むために必要不可欠なもの。

 「そのびっくりした顔が見たかった」

 そう言いながらニヤリと笑って見せる志乃。この間も驚かされたけど、今回はそれ以上に驚愕してしまった。

 志乃が持っている箱には、スターターセッ
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