最終話 芝生の上でその二
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「お勧めじゃないわね」
「そうなのね」
「よく関西の女の子は十代でおばちゃんっていうけれど」
無論まだ結婚もしておらず子供いない、しかし関西圏の少女は制服を着ていながら既に、というのである。
「それでもね」
「女子高生なのに自分で言ったら?」
「もうそこからはじまるみたいな」
所謂おばちゃんとしての道がというのだ。
「そう思うから」
「じゃあ言わないでおいた方がいいわね」
「里香ちゃんそういうイメージじゃないしね」
おばちゃんというイメージでは、というのだ。
「だから余計にね」
「そうよね、里香ちゃんがおばちゃんならね」
彩夏も着替えつつ話に入って来た。
「私なんかもうとっくによ」
「おばちゃんっていうの?彩夏ちゃんが」
「ええ、そうなるわよ」
「彩夏ちゃんはおばちゃんじゃないんじゃ」
里香は首を傾げさせつつその彩夏に言う。
「女の子じゃない」
「いやいや、里香ちゃんがおばちゃんならね」
「彩夏ちゃんもっていうの」
「里香ちゃん全然おばちゃんじゃないから」
このことを言いたいが為の言葉だった。
「それは私が保障するわ」
「飴を出しても」
「そう、それでもね」
こう言うのだった。
「というか飴位は普通でしょ」
「何か大阪の女の人は持ってるっていうから」
飴をだ、いつも携帯しているというのだ。
「だからね」
「それはそうだけれどね」
彩夏もそう言われるとすぐに頷いた。
「大阪の女の人ってね」
「飴持ってるわよね」
「それですぐにね」
「飴舐める?って聞いてくるよね」
「それでお金のことはともかく」
大阪人は金のことには五月蝿いと言われている、特に財布を預かる主婦はその傾向が強いことは言うまでもない。
「飴のことはね」
「気前がいいって」
「一個や二個だとね」
それこそ、である。
「気軽に」
「くれてね」
「飴はどうしていいのかしら」
「お金じゃないからじゃないの?」
里香はすぐに答えた。
「そうじゃないかしら」
「お金じゃないから」
「大阪の人ってお金にこだわってね」
「よく言われるわよね」
「実際はそこまでは、とも思うけれど」
漫画等のネタにされる程にはというのだ。
「それでもお金に五月蝿い伝統があって」
「それでお金には厳しいけれど?」
「お金じゃないとね」
「結構気前がよくなるのね」
「そうじゃないかしら」
「そういえばティッシュも」
街角で時折配っているあれである。
「大阪は多いわよね」
「他の地域よりもね」
「そういえばそうね」
「だから飴もね」
そうではないかというのだ。
「大阪の女の人は気前がいいのよ」
「それでなのね」
「実際にね」
今度は景子が言って来た。
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