彼女が手繰る糸
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縋れない。その歯車の軋みは大きい。
なら、彼女が道を示せばいい。同じ戦場で彼と共に、違う部隊として肩を並べて戦って、自分達が彼に見せつければいい、と。
昔の自分と今の自分のズレは大きい。追い縋るが故に、彼は黒麒麟になれないのだから。
そうして、雛里は秋斗が戻らないと確信していた。
程なくして、彼女を抱きしめる桂花から穏やかな寝息が聞こえ始めた。
ほっと一息ついたと共に、ズキリ、と胸が痛んで、彼女は眉を顰めた。
胸に来るのは罪悪感。
黒麒麟が絶対に繋げない想いを持っていたであろう一人を、今の彼を救う為に利用しようと決めたから。
――ごめんなさい。彼の幸せの為に、そして私の願いの為に、あなたを利用します。ごめんなさい――――――関靖さん。
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