魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇4
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さてと、次はシミ抜きと食事だな」
癒しの光を消して立ち上がる。二人には悪いが、まずはシミ抜きが先だ。乾く前に始末したい。まぁ、最悪は魔法を使ってでも。
「あ、うん。手伝うよ」
「あ、アタシも」
自分の体の具合を確かめていた二人が、口々に言う。まぁ、フェイトはともかくアルフがそんな事を言うのは割と珍しい気がしたが。
「う〜…、チマチマチマチマと結構面倒くさいねぇ」
せっかくなのでシミ抜きはアルフに任せ、フェイトと台所に立つ。包丁を扱うにはやや不安があるため、食材を切るのはフェイトに任せた。幸いというべきか……美由紀に比べれば、遥かに安心して見ていられる。感謝すべきことだ。身体の修復に魔力を喰われ、圧倒的に不足している今、余計な苦労はしたくない。
しかし、姉は姉で優れた剣士だというのに、何故持つのが包丁に変わった途端、あんなにも危なっかしくなるのだろうか。まったく、どちらも同じ刃物だろうに。
「ねぇ、光……」
「何だ?」
料理が完成する頃、不意にフェイトが言った。
「あの本が言ってた事って、何なの?」
聞かれていたらしい。当然と言えば当然か。はっきりと不安の色を湛えたその瞳から目をそらす。まさか、本当の事を言う訳にもいかない。だが、いつまで隠せるだろうか。
このままでは自分は殺戮衝動に飲まれ、魔物となる。その事実を。
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