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その魂に祝福を
魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇4
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 まるで魔法だな――
 それが、初めて相棒――御神美沙斗の剣捌きを見た感想だった。……以前、どこかで似たような感想を覚えたような気もしたが。
「……魔法使いはお前だろう?」
 相棒は怪訝そうな顔をした。本気でそう思っているらしい。
 よくもまぁ、あんな動きができるものだ。
 その感想を相棒と共感するのは不可能のようだ。投げやりに肩をすくめて見せる。
 しかし、と思わず呻く。
 後に魔法使いと呼ばれるようになった民族を滅ぼしたのは、魔法を持たぬ民族だったらしい。曖昧な記憶の中から、そんな事を思い出す。数の優位というのもあったようだが――相棒を見ていると納得せざるを得ない。魔法など使わずともこれだけの事が出来るなら、少々不可思議な力を持っている程度の少数民族では勝ち目はなかったのだろう。
「私に言わせてもらえば、お前はその力に頼りすぎなんだ」
 刀だろうが魔法だろうが関係ない。最後に優劣を決めるのは、担い手がどれだけ熟達しているかだ――相棒はそう言った。
 そんな事は言われなくても分っている――無意識のうちに、言いかえしていた。自分とて歴戦の魔法使いだ。……だったはずだ。良く覚えていないが。覚えていないうえに、そもそも在りし日の力の三分の一も残っていなかったが。
「ならば、なおさら力を扱う技術を身につける必要があるな」
 何やら嬉しそうに笑いながら、相棒が言った。初めて見るほどの上機嫌だ。彼女がこんな表情を浮かべるなど、相棒としても喜ばしい限りである。続く言葉に、げんなりとしながら、そんなことを呻いた。
「よし。私が鍛えてやる。相棒として、責任を持ってな」
 お前は魔法が使えないだろう。言いかえすが、彼女は全く怯まなかった。 
「心配するな。御神流は暗器の扱いにも一通り精通している」
 魔法の一つくらい、組み込んで見せる。そう言って笑った相棒は――その日のうちに、あっさりといくつかの魔法を取りこんで見せた。驚くべき応用力だった。
 殺しの技をここまで磨きあげられるとは、彼女の一族も大概業が深い。
 相棒に散々しごかれながら、そんな事を呻く。もっとも、彼女のお陰で失った力をある程度は補えるようにはなった。それには感謝すべきかもしれないが。
 ついでに、一つだけ記憶を取り戻したらしい。
(どうしてこう、俺の周りにはチャンバラ馬鹿ばかり集まってくるんだ?)
 良く分からないが……どうやら昔から女運は悪かったようだ。




『ああん? 今なんつった?』
 魔法を教えてほしい。そう言った私を、リブロムは露骨に嫌そうな顔で見た。もっとも、そんなものはこの半月ですっかり慣れてしまった。それに、今回ばかりは私も退く訳にはいかない。
「今の私じゃ、あの子も光お兄ちゃんも止められないの。だから、もっと強く、ちゃん
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