第8話 物事っていうのはやっぱりねぇ
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りね。その女性はどなたかしら?」
普通、トリステイン魔法学院の生徒だと服装を見ればだいたいわかるだろう。そうしたら家の格からいって、紹介する順番が逆だ。やっぱり、少々怒っているのだろう。俺は、少々頭痛がしてきそうだが、モンモランシーに紹介する形で、
「彼女はミス・ティファンヌ・ベレッタ。俺のもっとも親しい女友達ですよ」
一応、彼女ではないからな。
「彼女はミス・モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。俺が現在している護衛兼研究助手をしている人だよ」
使い魔の仕事のひとつに護衛があるから、嘘はついていないよな。けれども、
「ミス・モンモランシ。ジャックがお世話になっているようですね。けれど、忠告いたしますけど、もしおつきあいも考えていらっしゃるのなら、浮気にはご注意あそばせ」
ティファンヌは俺が複数のご婦人と、夜のおつきあいもしているのを知っているからな。しかも、俺と夜のおつきあいもしているし。それで、モンモランシーからは何かプレッシャーが、かかってきてる雰囲気がするから、俺はちょっと考えてから、
「えーと、ティファンヌ。少々、事情がこみ入っててね。今度の虚無の曜日の前日に、どこかの男爵家で晩餐会でもひらいていないかな。あるなら、そこであって話でもさせてもらえないかい?」
「あら、昼間話せないようなことなの。今日じゃなくてもかまわないから」
「それなら、夏休みまではやめておくよ」
「って、そんなにこみ入った内容なの?」
「まあねぇ」
俺が、どうのこうのと話しても、単純に納得する娘じゃないからな。
「たしか、今度の虚無の曜日の前夜にいつもの男爵家のパーティがあったはずよ。ミス・モンモランシの護衛とかやっているっていうのなら、あらかじめその日のことを聞いておいた方がよいんじゃないの?」
その通りだ。まあ、この場ではなくて、帰りがてらにでも理由を話すつもりだったのだが、
「ミス・モンモランシ。俺がトリステイン魔法学院にいるにいたった状況はわかっていますよね。そのあたりのことから、今度会うまでにあったことを、ミス・ベレッタには詳しく話したいんですよ。手紙とかではなくて……それに、俺が魔法衛士隊隊員になったら、結婚を考えても良いかなと思っていた相手ですので、来週の虚無の曜日前後はお休みをいただけませんか」
「……お好きにしなさい」
モンモランシーからのプレッシャーが、ほぼなくなった。完全じゃないのは、なんか事情がありそうだけど、今は考えないでおこう。 ティファンヌも俺の言葉に少々驚いているようだが、すぐにもとの様子にもどっている。
「っということで、ティファンヌ。今度の虚無の曜日の前夜から、詳しく話すことにするから、その日まで待っていてく
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