第8話 物事っていうのはやっぱりねぇ
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ベッドで目を覚ますと、朝日が入ってきている。ふと、テーブルの方をみると、昨晩メイドたちと一緒に飲んだ後のテーブルの上の物は中央に寄せられてる。個人的には週に2,3回ワインを飲んでいるが、そのままにしておいたら、この部屋にはいってくるメイドは昨晩の彼女らだけなので、その誰かのひとりがかたずけてくれるだろう。
そう思ったが、よくよく見ると、メイドが飲んでいたワインの残りがほとんどない。貴族用のワインといっても、中級品程度だから平民が普段飲む水変わりのワインよりも、アルコールが4倍ということもなかろう。
ただ、ちょっとローラが酔っ払いぎみだったのは確かだから、念のために、二日酔いどめの魔法薬でも用意してテーブルにでもおいておくか。必要がなければ、それはそれでよし。俺は二日酔い止めの魔法薬を小瓶に分けて、変質防止用にかけておいた固定化の魔法を解いた。あとは簡単に、フラヴィとローラが二日酔いだったら、この魔法薬を飲めば治るとだけ書いておいた。
それから、ちょっと考えて、口止めの文章も追加をしておいた。一応、表向きは禁制品にあたるから、一般で売ることはできない魔法薬だ。
とはいっても、水系統のメイジの間では、当たり前のようにつかわれているのも事実だが、闇ルートでは売値が張るので、一般には手が入らない。材料もほどほどに集めやすいし、作るのには水のラインぐらいでも作れるので、そこまで高度な魔法を必要とする魔法薬ではない。
どちらかというとアルコール中毒防止のために、二日酔いになっても魔法薬ではなおさずに、そのまま放置しておいて、必要以上にアルコールが入っている物を、飲むのを防止することが目的として禁制品扱いにされているらしい。国での禁制品扱いだが、魔法学院内でみつかる程度なら、せいぜい小言を言われておしまいだろう。
朝食はいつもの通りだったが、昨晩はジュースを飲んでいたクララをみつけたので、トイレに行くふりをして黙って席から離れた。
そしてクララの近くによったところで
「やあ、クララ」
「何かご注文でも?」
「もし、フラヴィか、ローラが二日酔いだったら、部屋のテーブルに薬があるから、知らせるか、渡してあげてくれ」
俺はそう言って、とりあえず用事はないトイレに向かった。お芝居も、ある程度はしないとな。
授業も特にたいしたことはなく、せいぜいまたルイズが爆発魔法を披露して、ののしりあいが始まったぐらいだが、最近では、いつものイベントとなりつつあきてきた。実習のある授業では、ルイズにはさせず、放課後でも使えばとでも思うのだが、俺は生徒でもないからなぁ。
授業後はこれまたいつものごとく、モンモランシーの部屋で魔法薬の実験を行ったり、補佐をしている。しかし、俺の使い魔であるエヴァが見つけてきた水草と、モンモ
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