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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第1話:開戦前夜
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はグラナダ基地の制圧。そしてその後のコロニー落とし作戦を担当する。

10分ほどに渡るルーゲンス准将の話が終わると、作戦室の中は小さなざわめきが
そこここから発せられていた。
そんな中、艦長の一人が手をあげて発言を求めた。

「具体的にはどのように作戦を展開することになりましょうか?」

その声にルーゲンス准将は黙して頷き、脇に控えていた艦隊参謀の
フッケバイン中佐が手元の端末を操作するとスクリーンに作戦図が映し出された。

「当艦隊はグラナダ基地の制圧を担当する。
 モビルスーツ隊を展開してグラナダ基地に接近し、まずは迎撃に上がってくる
 警備艦隊を撃滅する。
 しかる後にモビルスーツ隊は基地へと降下。同時に歩兵部隊がコムサイで降下し
 主要な軍事施設と通信設備を制圧する。以上だ」

フッケバイン中佐が話し終えると、部屋の中に集まった士官たちの間で
ため息とも感嘆の声ともつかない声が漏れる。
そんな中、コリオランの艦長であるヴェーゼル少佐の手が挙がった。

「この件を下士官や兵たちに伝えてもよいのでしょうか?」

「かまわん。 本艦隊はこのまま月へと向かい、作戦へと入るのでな」

ルーゲンス准将はそう言ってもう一度部屋の中をぐるっと見回した。
しばらくしても他に手が上がらないことを見てとると、椅子から立ち上がった。

「他にないようであればこれまでとするが、これから起こる戦いは
 我々スペースノイドの栄光ある未来を勝ち取るための戦いである。
 各員、努々抜かりなきように準備し、必ず勝利をつかみ取るのだ。
 ジーク・ジオン!」

ルーゲンス准将の掛け声に続いて、部屋の中の全員が右手を高く掲げ
2度3度と"ジーク・ジオン"の掛け声をあげた。
ルツも熱に浮かされたような高揚感の中で熱狂的な声をあげていた。

この日、宇宙世紀0078年12月27日。
のちにジオン独立戦争と呼ばれた人類史上最大の戦争まで、あと1週間。


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