1.エルネスト・ルツ中佐編
第1話:開戦前夜
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が公務員でもか?」
「相手がダルシア首相でもだ」
ちょうどエレベータの前まで来た2人はエレベータに乗り込んだ。
まだ朝早い時間のせいか、エレベータに乗り込んだのは彼ら2人だけだった。
「どうもキナ臭くなってきたからな。 これからどうなりそうか気になったんで
軍の中はどうなのか聞きたかったんだが、悪かったな」
「いや、別に」
それきり2人とも黙り込んでしまい、ルツはエレベータの表示をじっと見ていた。
やがて重力が弱くなってきてエレベータが宇宙港の区域に到着して止まる。
「なあ親父。 もうこうやって会うこともないかもしれないから言っておくけど、
俺は親父やお袋のこと、愛してるよ」
「そうか・・・気をつけろよ、エルネスト」
そしてエレベータの扉が開き、2人は床を蹴って港へと流れていく。
「ああ、判ってるよ。 親父」
そこで2人は別れた。
父は宇宙港の管理区画へ、息子は2バンチへ向かうランチの乗り場へ。
ルツがコリオランに戻った翌日、コリオランを含む艦隊は再び訓練航海に出た。
チべ級1隻、ムサイ級5隻からなる艦隊は2バンチの軍港を出ると、
隊形を整えてサイド3宙域を離れた。
そうして航行を続けること約12時間。
サイド3から月への航路を1/4ほど進んだところで、全艦に艦隊司令官である
ルーゲンス准将からの放送が流れた。
"艦隊所属の全士官は旗艦作戦室に集合せよ"
それに応じて艦隊各艦から士官を乗せたランチが旗艦である"エグモント"の
格納庫へと向かった。
ルツもコリオランから出たランチに乗り込み、艦長や隊長のメンヒたちとともに
エグモントの作戦室へと向かった。
彼らが作戦室に入ると既に部屋は人でいっぱいになっていた。
各艦の艦長をはじめとする佐官クラスが部屋の中央に置かれた会議机につき、
尉官たちはその周りに立っていた。
正面奥にはルーゲンス准将が目を閉じ、腕を組んで座っていた。
やがて艦隊に所属するすべての士官が作戦室に集合し、ルーゲンス准将は
机に手をついて立ち上がる。
そして、部屋の中にいる士官たちの顔を一通り眺めてから口を開いた。
「諸君。 急な招集にも関わらず迅速に集合してくれたこと、まずは感謝する。
で、早速だが本題に入らせてもらう」
ルーゲンス准将は再び席に着くと小さく咳払いして話を続けた。
曰く、本国は地球連邦との開戦を決断し、年明けすぐにでも宣戦布告が行われる。
作戦計画は宣戦布告と同時にサイド1・2・4および月のグラナダ基地を制圧。
しかる後に地球連邦軍本部である南米のジャブロー基地へコロニーを落とす。
これによって地球連邦軍に反撃不可能なダメージを与える。
突撃機動軍
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