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妖精の義兄妹の絆
六つの鍵
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のに…。」
「勝負はついた。」
しかし、ミッドナイトは言葉とは裏腹に笑って見せた。
「あと少し早く死んでたら、恐怖を見ずにすんだのにね。」
ミッドナイトが意味深なことを言ったその時だった。

ゴォーン ゴォーンゴォーン ゴォーン

どこからか、鐘の音が響いてきた。そして、目の前のミッドナイトの姿が突然変貌を遂げていく。
「真夜中にボクの歪みは極限状態になるんだ。」

ゴォーン ボボボボボボボボ ゴォーン

「何だ!!?」

ゴォーン

「ああああああ。」

ゴォーン ボコボコ ゴォーン

ミッドナイトの体はみるみる巨大になっていき、手足が太く、強靭なものになっていった。

ゴォーン ゴォーン

「ハハハハハハハハッ!!!!」

ゴゴゴゴゴゴ

エルザの目の前にいたのは、人間の原型をとどめていない悪魔のような巨人だった。
「な。」
「もうどうなっても知らないよ。」
そう言うと、ミッドナイトは手に魔力を凝縮し、解き放った。

ドゴォォォン ズゴォォォン

その威力はこれまでの比じゃなかった。ニルヴァーナの三分の一は有に消し飛んだ。
「あう。」
「ぐあっ。」
エルザとジェラールは威力に耐えきれず、吹き飛ばされる。

じゅる ズサッ

そこにミッドナイトの爪が伸びてきて、ジェラールの体を貫いた。
「ジェラール!!!!」
ジェラールの体からは大量の血が吹き出した。すぐに出血多量で死んでしまう。
そう心配してジェラールの元へ行こうとするが、

ズッ

「ぐはっ。」
エルザの体もミッドナイトの爪が突き刺さり、大量の血が流れた。
「おっと…簡単には死なないでよ。ここからが楽しいんだ。」
ミッドナイトはジェラールとエルザを持ち上げ、さらに爪を食い込ませる。

ズズズ…

「あああがはっ」
エルザはたちまち血まみれになっていった。

ズブズブズブ

「エルザーー!!!!」
ジェラールは大量の血を流しながらエルザを名を叫んだ。

ズシュッ グジュ

「うあああああ。」
「ハハハハハハッ!!!!」
ミッドナイトは高らかに笑い続けた。








ザン








「は?」
「!!?」
ジェラールには何が起きたのか分からなかった。
自分とエルザはさっき死ぬ寸前だったハズが、今は目の前でエルザがミッドナイトを斬っている。
(「な、何が起きたんだ!?オレは確か、体を貫かれて…、エルザ…。」)
「ボ、ボクの幻覚が効かない、のか…。」
(「幻覚!!?あれが!!?」)
先程まで体験していたのは、鐘が鳴っている間だけ見せられていた幻覚だったのだ
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