装填1 始まりの日
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抱えて項垂れる金次。
「てなわけで…報告しにきました」
「…ああ、うん。
ご苦労様」
哀れみの視線を金次に向ける高畑先生。
「一応武偵殺しの模擬犯の線で捜査を始めるように伝えるけど…難しいだろうね」
高畑先生が俺達が書いた書類をチェックしながら自身の見解を述べた。
「今回の犯人は狡猾で計画性があると思うな。
セグウェイを遠隔操作して武偵を狙う事により自身の存在を武偵殺しに向ける手法といい、武偵殺しと同じ爆弾を使ってる事から武偵殺しを崇拝している愉快犯かあるいは関係者のどちらかだろうね」
「さすがは高畑先生。
やはり愉快犯ですよね?」
金次は武偵殺しのことを完全に愉快犯だと思っている。
「先生。
本物という線は?」
真相を知っている俺はそう言ってみた。
「ないだろ」
金次は何言ってるのコイツはみたいな顔をしてるが俺は真剣な表情で高畑先生を見つめる。
「う〜ん。
その可能性は低いと思うんだけど、だけど個人的にはまだあの一連の事件は終わってないと思ってるよ」
「え??
何でですか?」
高畑先生が武偵殺しを疑ってる事に驚く金次。
「金次。
可能性事件って知ってるか?」
「可能性事件?
なんだそれ?」
俺がそれを口にした時高畑先生の目が僅かに開いた。
「ミツル君…それは」
「さあな。
武偵なら後は自分で調べろ」
高畑先生は何かに気づいたようだが《それ》を口に出さない。
「二人とももうすぐHRが始まるからもう行きなさい」
「あ、そうだ。
先生超研の実験室放課後に使ってもいいですか?」
「また、魔法の練習かい?
研究熱心だね。
うちの強襲科の生徒にも見習せたいね。
うん、わかった。
SSRの担当教師の先生には僕の方から言っておくよ。
壊さない程度に使ってほしいな」
「…善処します」
使う度に施設を破壊してきた前科がある身だからそう言うしかなかった。
掲示板に出てた二年A組の教室に入り適当な席に腰掛けると爽やかイケメンの不知火が話しかけてきた。
「おはよう。
今日はいつもより遅いね。
珍しく寝坊したのかな?」
「おはよう…ああ、おかげで人生初の貴重な体験ができたよ。
大人の階段を三段飛ばして上がれた感じだ」
「…な、なん…だ…と?」
金次に話しかけて一蹴された大男の武藤が大袈裟に言った俺の言葉に反応してきた。
「光お前、ま、まさか…星伽さんと。
お前は俺達の同胞だと思ってたのに…。
糞、金次のたらしが光までうつったか」
「いや、俺を金次みたいなたらしと一緒にすんなよ。
それと武藤、白雪とはなにもないからな。
俺と金次は白雪にとってたんなる友人と幼馴染(恋人?)の関係だ」
「そ、それじゃ俺にもチャンスが…」
「「いや、それはない(んじゃないか)な」
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