48章 バンドの名前は、ドルチェ!
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ドラム担当の24歳、黒田悠斗であった。
「よかったですよ。みなさんが、バンドの結成と加入に、快く
賛成してくださって。本当にありがとうございます。
こんなにスムーズに短い期間で、メンバーが決まるとは、
わたしたちは、考えていなかったんです。ねえ、とも(友)ちゃん」
そういって、森川良は、隣にいる水谷友巳を見る。水谷の隣には
高校1年、15歳の木村結愛もいる。
「まったくですよね、良さん。きっと、バンド結成までの道のりは、
険しく、難しいだろうなあと、考えていたんです。
実は、最初は、おれの高校のときの、バンドの仲間たちで結成しようと
考えたんですよ。ところが、やっぱり、プロとしてやっていくのには、
実力が不足でした。頓挫して、ダメになってしまいました」
水谷は、そういったあと、一緒にやっていけなくなった高校からの
仲間たちのことが、頭の中を過った。
「でも、とも(友)ちんたちのバンド演奏は、かなり良かったんだよね。
息も合っているから、リズムの乗りもいいし、グルーブ感っていうのかな、
聴いていて、とても楽しめたからね。粗削りだけど、
それも魅力的だしね。しかし、プロとしてやってゆくのには、
あと最短でも、1年くらいの時間が必要な感じなんだよね」
あと1年くらい待ってみようかなって、考えたいたわけだけど」
川口信也が水谷友巳の心情を察しながらそういった。
「でも、友ちゃんは、友情をいつも大切にしているんだから、高校のお友だちも
わかってくれているわよ!大丈夫よ、友ちゃん!」
木村結愛は、水谷が沈んでちょっと暗い表情するものだから、
身体を寄せて、耳もとで、そういって励ます。
この新しいバンド名の『ドルチェ』は、結愛の提案した名前だった。
それが採用されて決まったものだから、結愛も嬉しかった。
ドルチェ(dolce)は、イタリア語で、甘いの意味や、音楽の用語として、
柔和に、甘美に、優しく、などの意味があり、また、イタリア料理で、
菓子やケーキやデザートについてもいい、また、イタリア産のワインで
甘口のものも意味する。
「おれ、作ったばかりの歌で、バラードですが、ちょっと歌ってきます!」
水谷友巳は、スポットライトの当たるステージのマイクの前に、
ギターをかかえて立つと、歯切れのいい、リズミカルな、8ビートの
カッティングのイントロで、歌い始めた。
Good luck to my friend. 作詞作曲 水谷友巳
仲間と いつも歩いた 学校の並木道
きみと 何度も歩いた 学校
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