31章 美女 と 野獣 (1)
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かいですね。中の、レアな 赤身も、
ほどよくって、ほんと、うまい!」
そういって、蒼希(あおき)は、白いテーブルクロスの
4人がけの四角いテーブルの正面の、
竜太郎と、右隣の、
幸平に ほほえむ。
「味付けも シンプルで、バターと 塩だけかしら ?
お肉、そのものの 旨みが、おいしいわ!」
真央は、みんなを見て、長い睫の 瞳を
輝かせる。
「あっはは。よかった、よかった。真央さんと 蒼希(あおき)さんに、
こんなに 喜んでもらえて」
そういうと、竜太郎は、うれしそうに、わらった。
竜太郎の笑顔を、ちらっと 見ると、
弟の幸平は、極上のワインを飲みながら、
ほろ酔いのいい気分で、ふと、こんなことを思う。
・・・ 竜さんも、今度ばかりは、真央さんのことが、
たまらなく 好きになっているんだな、きっと。
仕事に対しては、いつも冷静で、落ち着いている兄だけど、
これまで、たくさんの女性と、噂もあったなあ。
それでも、女性を 泣かせるということもせずに、
まあ、華麗といえば、華麗な 女性遍歴へんれき)で、
おれや、並みの男にはできない、離れ技
というか、特技で、それは。
兄の才能のようなものなんだろうなあ。
そんなわけで、よく、以前は、美女と野獣のようだなんて、
よく思った、おれだけど。
美女と野獣というのは、18世紀のころの、ヨーロッパの
どこかの国の、寓話というか、民話というか、小話で、
それを、ディズニーが、脚色して、アニメ映画化して、
大ヒットした物語なんだけど。
美女と野獣という言葉が、妙に、頭の中に残る。
大学2年のとき、女の子と、美女と野獣を 映画館で、
観たっけ。
兄は、ちょっと前までは、軽薄なプレイボーイぽかったし、
仕事では、 頼りがいのある ボスという感じで、
そんなアンバランスで、釣り合いがとれていない、
二面性がある気がした。誰にでもあるんだろうけど。
そんな兄が、こんなふうに、一途に、
恋に落ちているようなのは、見たことないよなあ。
頭に来れば、どんな怖そうな相手にも、
立ち向かっていく、そんな、周囲を ハラハラと
心配させる、男っぽい、度胸あるの兄。
そんな性格をそのまま表している、
硬派な顔つきの、 竜さん。
だけど、妙に、最近は、やさしい表情をしているなあ。
これも、真央ちゃんのせいなのだろなあ。
恋というものは、真剣というか
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