暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
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「パパー!!ママー!!」
「やめてっ、やめてくださいっ!!」
「貴様ら、一体なんの権利があって!!」
今日も昨日と同じように終わる、そう思っていたときだった。
裾や脇のところで固まったしわが目立つ白衣に身を包んだ研究者のような人と、黒くてパパがいつも着ているものよりも大きく見えるスーツに身を包んだ怖そうな男の人達がいきなり家に来て、僕の腕を掴み、連れて行こうとした。
もちろんパパとママは僕を助けようとした。けれど、黒スーツを着た怖い人達が押さえつけていて二人とも助けに来ることはできなかった。
「それはこちらのセリフでしてね。モンディアル家のご子息、エリオくんは、既に病気で亡くなられている」
展開されたウインドウには、“エリオ・モンディアル”のことやお墓の前で泣いているパパとママが映っていた。
ウソだ……。
…………。
「そしてこの子は亡くなった息子さんの特殊クローン……プロジェクトF、忌まわしき生命創造技術で生み出された、劣化コピーです」
「えっ……」
ウソだ。
・リ・・ん。
その話を聞いた途端、パパとママは大人しくなって、僕から目をそらした。
それは、言葉よりも何よりも、その話が真実でることを語っていた。
でも、でも……僕はその真実を認めたくなくて、心の中では分かっているのに、何度も何度も否定した。
ウソだ!!!!
・リオ・ん。
僕は白衣を着た人に引きずられて、家の外に連れ出されて行った。
「パパー!!ママー!!嫌だー!!嫌――」
「エリオッ!!」
「――お兄ちゃん!!」
そこに学校帰りのお兄ちゃんが助けに来てくれた。
「お兄ちゃん!! 嫌だー!!助けてー!!」
「お前ら何をしてる!!弟を放せっ!!」
そういってお兄ちゃんは白衣の人に掴み掛かろうとしたけれど、スーツの人達が押さえつけた。
「ぐっ・・・放せ!!放せぇぇ!!」
「まぁ待ちなさい。君もこの子のことを知っておくべきだ。この子はね、君の弟じゃないんだよ」
「なにを訳の分からないことを言って――」
「――この子はね君の弟の偽物なんだよ。その年なら、聞いたことくらいはあるだろう?クローン人間という言葉くらいは」
「なっ!!」
そしてお兄ちゃんにパパとママに見せたのと同じウインドウを見せた。
「嘘だ・・・・。」
お兄ちゃんはそれを見るとパパとママと同じように大人しく……でも目だけは僕から離れなかった。
「お兄ちゃん!!!!!!」
僕は必死にお兄ちゃんに手を伸ばしたけど、その手は届かなくて――
パシンっ!!
――お兄ちゃん自身によって振り払われた・・・
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