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機動戦士ガンダム0087/ティターンズロア
第一部 刻の鼓動
第三章 メズーン・メックス
第一節 離叛 第三話 (通算第43話)
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は多い。
 戦後、ガンダムの活躍でパイロットからの要望が高くなったビームライフルの配備が急がれたが、ジェネレータ出力等の問題とコストパフォーマンスの問題と連邦政府の採った軍縮路線のため、配備は遅々として進まなかった。だが、デラーズの乱以後、一転して軍拡路線に鞍替えした政府によって、兵器開発が奨励されると、いち早く独立機動軍にBR84Aが制式採用され、大量配備されることになった。
 二人はクレイバズーカをクレイバインダーの基部にあるハンガーラックに掛けると、背部にマウントされているボウワ社製BWBP87L〈ビームピストル〉を《リックディアス》の手に握らせた。口径九○ミリと小口径で短身のライフルであるが牽制には充分過ぎる。《リックディアス》はこれを固定武装とし、背面からの対空砲としても活用していた。。
「えぇい!」
 アポリーは、躊躇いながらも手負いの《ジムU》をロックオンした。ビームピストルから伸びた火閃は、狙いを違えず、コクピットを直撃する。操り糸の途切れたマリオネットさながらに、地上へと墜落した。派手な噴煙が住宅街からあがる。誘爆しなければいいが……と考えながら、次のターゲットを視界に収めた。
「もらった!」
 ロベルトが敵の懐に潜り込んでビームサーベルで両腕を切断した。ほんの数秒前まで無傷だった《ジムU》が頭部のガトリング砲を放つ。だが、重装甲の《リックディアス》には効果がない。素早く身を翻したロベルト機が下からサーベルを縦に斬り上げた。スカートアーマーが蒸発し、機体が裂けていく。ビームの刃がコクピットに達し、内部から爆発を起こし、飛散した。
「更に機影!《クゥエル》、三!」
 アポリーが警告を発する。ベイエリア方向から来た新手の《クゥエル》とは、RGM−79Q《ジムクゥエル》で、ティターンズ専用機である。母体となった《ジムカスタム》に比べ機動性も火力も強化されている。コロラドサーボ社製高性能MSと呼ばれるに相応しい機体であり、近代化改修によってようやく本来の性能に達した《ジムU》とは格が違った。が、《リックディアス》はその《クゥエル》を凌駕するための機体である。負ける訳にはいかなかった。
 ボディーカラーは濃紺と紺にイエローのラインという所謂ティターンズカラーである。見るものに与える印象が《ジムU》かなり違った。
「大尉!」
 その時、シャアはすでに《ガンダム》を墜落させていた。撃墜ではなく、明らかに敵パイロットの操作ミスである。シャアに煽られた《ガンダム》が低空飛行し、旋回しそこねてティターンズの演習基地のビルに落ちたのだ。
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