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FAIRYTAIL転生伝 〜 黒き魔王は妖精と共に 〜
第三話『俺の仲間たちと脱走失敗』
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どうせこのままじゃ一生やつらにこき使われる人生なんだ。ここらで一発賭けてみるみるのも悪くねえ」
「俺も俺も!」
「にゃー。ウォ―リーがやるなら私も」
「ウォーリー!ミリアーナまで!?」


そんなシモンに触発されるように今度は二人賛成の意を示した。ウォーリーとミリアーナだ。


「確かに失敗した後のことを考えると怖いけどよ。それでも俺は自由になりてえよ」
「私もー」
「お前ら・・・」


そこでエルザがおそるおそる手をあげる。


「わ、私もやる」
「エルザ。お前もか・・・」
「皆がやるっていうのに私だけのけものなんて嫌だし・・・」


おいおい、皆本気かよ。わかってないのかもしれないが成功する確率のほうが低いんだぜ?

思わずそう言おうと思ったがやめた。皆の眼に宿る真剣な光の輝きを見てしまったからだ。


(これはもう俺がなにを言っても無駄かもしれないな)


そう俺が思わざるをえないほど、彼らの瞳に宿る決意は固いように思えた。


そんな彼らに俺ができることはもうたった一つしかない。


俺はため息をひとつつき、口を開いた。


「わかった。俺も協力しよう」
「!?本当ユウヤ!!」
「ああ」

こうなったら俺ができることは一緒に参加して、脱走の成功率を少しでもあげるしか俺には思いうかばなかった。


俺が参加の意を表明すると、ジェラールがそれを待っていたといわんばかりのタイミングで膝をぴしゃりと叩き、注目を自分に集める。


「よし!それじゃあ決行は1ヶ月後。それまでは慎重に慎重を期して全て脱走のための穴を掘るために費やすことにする。それでいいな!」

「「「「おう!(うん!)(にゃあ!)」」」」

ジェラールの締めのその言葉に、それぞれ気合いの声で答えてその日の話し合いは終了した。


そして現在、この一カ月、神官の目を盗んで少しずつ掘ったこの抜け穴から、俺たちは自由への一歩を踏み出そうとしているのだが、その中で、その一歩を踏み出せない者が一人いた。


緋色の少女、エルザである。


先ほどからエルザは抜け穴の前に来ても進もうとはせず震えながら俯いているだけだった。


そんなエルザを見かねたシモンが声をかける。

「エルザ・・・・急がねえと奴等に見つかっちまう」
「う・・・・うん・・」

だがエルザの足は震えたまま一歩も前にでなかった。

「も・・もし・・・・もしも見つかったら」

どうやら今さら見つかったらどうなってしまうのかということが頭をよぎっているらしい。


・・・やれやれ、しょうがないな。


「エルザ」

俺はエルザの名前を呼びながら笑いかける。

「ユウト・・・・」

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