SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
[1/13]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あの日から、私は何があっても生き続けることを誓った。死んだサチのためでもあるけど……私自身のために、あの日の後悔と罪と想いを失くさないように、抱えて生きるわ。」
口ではいくらでも言えるけど、どれだけ生きたいと願っても、思っていても、いつかは終わりを迎える。唐突に終わりを迎えることだってある。誰かのせいで、終わることだってある。
そんなに人生はラストにハッピーエンドを迎えるほど都合良くドラマは出来ていない。
でも、死ぬ時は今ではない。 私にはやるべきことがたくさんあるのだから、簡単に死ぬわけにはいかない。
死にたくない。
生きて痛い。
もう、消えたいと言う想いに浸るのはやめた。
私の過去は、これで終わった。隣で黙って聞いていたアスナは、恐る恐る口にした。
「その後……キリカちゃんは……? キリト君はどうなったの?」
「私はすぐに兄に謝りに行って仲直りしたよ。兄も、いろいろと合ったみたいだったけど、私と同じように自暴自棄になって死ぬことはやめた。もちろん理由をつけて死のうなんて思ってもいないよ。」
そう、サチの願いによって私達は命を救われた。でも、それでも癒えることはできなかった。
「救われた後は迷惑かけた人に謝りに行って、とりあえずしばらくは休憩をとったよ……」
サチに救われた、死ぬことを望まなくなったことを思い出す。クラインから馬鹿野郎ってボロボロ泣いて許してくれたっけな。迷惑かけた人達に謝っても許さない人はいたけども、時が経つにつれて許してもらえるようになった。失われた信頼を取り戻すのに、ちょっと辛いことはあったけど、それでも前を向いて歩けるようになった、私のことを信頼してくれる人もいてくれた。
改心してからの日々で一番印象残ったのは……。
「しばらく休憩していたらさ、『サボってないで攻略しなさい!』って言う人がいてさ、それ言われた時はちょっと腹が立ったな〜。いや、事情を知らないことはわかってもムカついたからさ、隙をついて逃げてやったよ」
「そんな人いたんだ……」
「うん。そう言えば、その人も血聖騎士団のかっこうしていたな……あの頃の私が、将来、血聖騎士団に入るなんて思わなかったな〜……」
過去を振り返って、思わず笑ってしまう。
「あれ、アスナ?」
どうしたんだろう。なんで若干顔が引き吊っているんだ? 心なしか目が泳いでいるような気がする。
「キ、キリカちゃん」
「う、うん」
「ごめん。その人……わたし」
「……あー……そう」
言われてみれば……しばらくは血聖騎士団の一人となにかと口論し合っていたな……。そうだ、あれアスナだ。相手女だったし、なによりも仕切ったり指示をしていたりしていたから、血聖騎士団のアスナで間違いないわね。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ