SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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故に、私だけ注文が結構多いのだ。……私だけ厳しくないですか、イリーナさん?
二桁のうち四回負けたのは、予想外な奇襲が浮かばずに隙になったところを確実にさされてしまったからだ。なんて情けない。
訓練と言っても、情けないままで負けるのは嫌なのでそろそろ反撃に出たい。そろそろ長期戦にもなれてきたところで、攻撃に参加するとしよう。
アスナが繰り出す突きを防いで距離をとり、私は薙刀は剣道の上段の構えをした。
「なに、その構え?」
「剣道の上段の構え、薙刀バージョン」
「どんな使い方よ」
アスナはクスッと笑うもすぐ警戒して、構え直す。イリーナさんが与えられた通りなら、私が普通なことしないことを予想しているだろう。だから敢えて、このまま面打ちするのも裏をかいてありにはなりそうだけど。アスナの要望通り、普通じゃないことをやってみますかね。
私は上段構えを保った。
どちらか攻めるかで駆け引きで勝てば、そのまま勝利につながるけど。私がやろうとしているのはアスナから攻めないと出来ない。
「どうしたのキリカちゃん? 全く動かない……」
なんていうのはないんだよね!
「おりゃああああ!」
私はアスナの一瞬の隙を見逃さずに、そのまま薙刀で面打ちを仕掛けた。
「甘いわ、キリカちゃん!」
それをアスナは読んでいたようで、逆にこっちが隙を与えてしまい懐に飛び込まれてしまった。
この場合、絶対回避を使えば問題ないんだよね。スキルを使ってないし。でも、それじゃあ面白くはないので、私なりに対処することにした。
「とどめだと思うのは早いんじゃないかな? アスナ!」
私は薙刀を手放して懐に飛び込んできてひと突きをしゃがんで回避。そのままアスナの後ろに回って、地面に落ちていく薙刀をキャッチ。
「しまっ……」
そのまま薙刀を後ろに向け刺した。丁度薙刀の刃がアスナに当たった。
「……今回は私の勝ちだね」
「あーもう! 読んでいたのに!」」
自信満々に言うとアスナは悔しそうだった。
でも、自信満々に言うことじゃないんだよね。結局想定外のことをしたら、アスナに全部読まれていた。ただ、勝てたのはアスナがそれに対応できる速さが足りなかっただけである。最後の攻撃を避けていたら、まだ続いていたか私の負けになっていただろう。
私もまだまだ強くならないといけないってことか。
「これで一勝十二敗か……」
やっと一勝……。数字にしてみればひどいな。一時間でやっと一勝だもんね。縛りルールあったとしても酷い結果だよ。
ちょっと落ち込んでいる様子が出てきてしまったらしく、アスナに褒められた。
「でもキリカちゃん。後半になってから隙が少なくなってきたし動きも早くなっていたよ」
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