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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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のない人だと改めて認識してしまった。
 それは弱点を克服する訓練であり、イリーナさんは私とアスナの弱点を見抜いていたのだ。
 まず、アスナの弱点は予想外な出来事に弱いこと。アスナはどの方向から対処は出来るがセオリーのない予想外な出来事に対処仕切れないらしい。アスナは教科書にない戦術の方法を意識するように戦えとイリーナさんは告げた。
 私に与えられたのは、避けないことと短期戦で勝とうとしないことだった。と言うのも、たった一回の戦闘で私の弱点が回避に特化故に防御が危うく、ごり押し気味で突破されそうなことと、回避が限界だと思い込んでいるが故に短期戦でとどめをさすことに意識が強く感じているのも危ういことを見抜いていたんだ。
 確かに、危ないと思ったら回避を強く意識して対処していた。そして、あえて隙を見せたところを回避して逆に隙をつくってとどめをさすカウンター戦術が主な戦闘スタイルだろう。短期戦でやるには回避には限界があるから長期戦を避けていたんだけど……それが弱点の一つだとは考えもしなかった。
 イリーナさんの戦った時を思い出してみれば、イリーナさんが剣と斧の二刀流になった途端、私はイリ―ナさんの凄まじい攻撃の連打に圧倒されてしまい、急激に流れが変わって隙を作ったと思い込んでいてしまい、絶対回避を活かしきれなかった。無意識に、長期戦に入ったら負けると感じて、無意識に強引で絶対回避を使ってしまった。それを含め、私は負けたんだ。
 今後上の層にいるモンスターやボスは今まで以上に手ごわいだろう。やり直しができない、一つの命を生かすには弱点を克服して、明日も明後日以降も生きるために強くなること。今日やるべきことはアスナのラッシュを避けずに防御だけで対処し、長期戦に慣れることだ。
 犯罪防止コード圏内で広い場所で約一時間ずっとアスナと戦っている。武器による攻撃が当たっても不可視の障壁がダメージを防いでいるので安全だ。とはいえ、最初のアスナからの一撃は、衝撃が大きく思わず倒れてしまった。カッコ悪くて情けないようにね。
 犯罪防止コード圏内だからオレンジに変わらないからって、怒りの矛先を私にぶつけているよね? だって勢いが凄いんだもん、アスナ。
 避け禁止、慣れない防御に徹する私はアスナの細剣から繰り出す突きの連続に対処仕切れなかった。これがデュエルなら二桁は私の負けである。しかし参ったな……。
 薙刀で細剣を抑えたり弾き上げたり、足を使って避けたりすればいいんだけど、今の薙刀は受け止めたりするだけなので長くて細い縦として扱っている。
 アスナの細剣スキルは、ドウセツに誇る速さ。剣先が処理落ちしているし、何よりも連続攻撃が速いから近寄れないし隙がない。それと、アスナは予想外なことに弱いから対処しろって言うことは、私が予想外なことをやれと言うことになってしまう
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