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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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トもクリスタルを渡した。

「ウム、よし。では出発!」

ゴドフリーの号令に従って私達はグランザム市を出て、遥か西側に見える迷宮区を目指して進んだ。

「遅いから先に行くわよ」
「ふざけるな! 何のためのパーティーか考えろ!」

 さっさと終わらしたいが、うるさい人がいてうっとうしい。コトブリーの敏捷度がないから、一番後ろで彼らと離れて歩くことにした。

「あぁ……帰りたい」

 私だけではなく、キリトも同じような気持ちなのね。不本意ながら。

「帰りたいなら帰れば」
「帰れたらとっくにそうしているよ……」
「いい子ぶるのね」
「いい子ぶった覚えはないんだが?」

 SAOで最強とも言われる、二刀流のキリト。ソロプレイヤー中でもかなりの実力、反応速度が異常。彼のことは同じソロだから会話もするし、アスナから散々な愚痴を聞いている。それと、キリカの双子の兄。……よく見ても似てないわね。

「それにしても、ドウセツとはちゃんと会話したのはいつぶりだろうな?」
「……会話したことあった?」
「いや、したって。しかも忘れさられるくらい少なくないだろう」
「そうかしら? キザっぽい口調しているからキザな独り言をバカみたいに口にしているかと思っていたわ」
「そんな印象だったのか……俺って」
「どうかしらね。一層のボス戦終了時に、自分はベータテストで誰も到達できなかったところへ行ったとか自慢していたじゃない」
「よく覚えているな」
「しかも高笑いで悪者風にね」
「そんな風に言ったつもりはないんだが……」

 キリトとは似たくはないがおそらく同類だろう。キリカと組む前はキリトとコンビネーションとり易い相手だから同類だろうね。
 深く仲良くなりたいとはお互いに思っていないから……。

「そう言えばドウセツ。最近のキリカはどう思う?」

 キリトの問いに私は迷うことなく言葉に表した。

「レズっ毛の変態でアホでバカのお人好しよ」
「よ、容赦ないな……」

 だって聞かれたんだから、ありのままの事実を言っただけよ。相手が引くことも想定してね。
 彼は「そうか」と呟き苦笑いする。
 
 ……彼の過去のことはキリカから聞いた。
 未だに兄は過去のことで苦しんでいる。未だに光に入るのを拒んでいると……キリカはそう言っていた。
 外見も性格も似てないのに、貴方達は双子の兄妹なのね。お互いのことを想い、お互いに相手に押しつけずに自分の中で溜めていることも……。
 ふと口を開いて言ってしまった。自分でも不思議なくらい、こんな言葉を言うのがわからなかった。

「兄妹仲良くしなさいよ。ケンカしても嫌いになっても、最後には仲直り出来る兄妹関係を築きなさい」
「え……」

 もちろん相手は私の言葉
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