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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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も私達双子は一緒に行動せずソロとして別の道を歩んで、たまに会っては心の傷跡が開かぬように他者から避けていた。二度とトラウマが再発しないように関わりも避けていた。
 それでは駄目なんだ。避けても逃げても、心の傷跡は自身の心と共にあり、自身が消えないかぎりトラウマも消えない。それだったらさ、消えるよりも向き合って傷ついて後悔しながら生きたほうがさ…………良いことも悪いことも経験できるから。
 死んだら、それすらできない。本当に終わりなんだ。

「アスナ」

 私では無理。私では兄を救えないって諦めてしまったから、一緒に歩まず、ソロとして歩んでしまった私より、兄のことが好きなアスナのほうがいい。
 愛の力は偉大だからさ……。

「兄のことよろしくお願いします」

 兄を、キリトを、

 和人の傍にいて。

 頭を深く下げてお願いすると、不意にアスナは両手で私の頭を包み込み、お腹に顔を埋め込まれる。
 不意であり恥ずかしいけど、今はされるがままに受け入れたいと思ってしまう。
 そう。人の温もりが心地よいから何もしたくない。

「キリカちゃん」

 アスナがどんな表情でどんな想いで言っているのかは見られないけど、大丈夫。
 アスナなら大丈夫。

「まかされました」

 その言葉だけでもう……まかせられる。
 何故か抱きしめられている理由はわからない。もしかしたら、震えていたかもしれない。それに、アスナに抱きしめることを望んでいたかもしれない。

「ねぇアスナ……」
「うん」
「まだ……離さないでね」
「うん」

 アスナの温もりに感謝しつつ、そっと目を閉じて受け入れる。
 その時、私はふと昨夜のことを思い出した。



「…………これが私の過去で今に至る」

 その夜、心の傷跡に刻んだ記憶を掘り出して、あの日のことをドウセツに話した。。

 それは、許されない罪。

 一生償えない罪。

 永遠に曲げられない罪。

 今も、昨日も、一昨日も、先月も、そのずっと前から、あの日を犯した仲間の死を後悔し続け、引きずる記憶は思った以上に苦しい反面、前よりも笑えるようになったし楽しいことも増えた。
 ちゃんと真っ直ぐ生きていられるようになったから、話しても大丈夫かなって思っていたけど……過去の話をすると傷跡を抉るように痛かった。

「あれ……?」

 大丈夫だと思っていた。でも、そうは思っても大丈夫ではないことは多々ある。口にすれば体は痛んで、心臓は締め付けられ、瞳から一筋の雫が落ちれば自分の意志では止められない。

「悲しく、ないのに……大丈夫なのに……もう、死にたいとは……思わないのに……っ」
「大丈夫じゃないから泣いているのよ」

 ドウセツはそう言って
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