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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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門へ通り越し、荒野のフィールドへと全力疾走で足を動かす。
 コトブリーを含めた数名の光点が突然消えて、兄とドウセツのステータスはHPバーの周りに緑色に点滅する枠で(おお)われている。これを意味するのは、麻痺状態だ。
 麻痺になれば、一部を除いてしばらく行動が不可能になる異常状態。これまで多くのオレンジプレイヤーが人の命を奪った手段でもある。
 イリーナさんから血聖騎士団のフレンドリストを登録させてくれたからみんなの情報がわかる。その中で、クラディールとストロングスだけがHPは満タンで、ステータスも平常になっている。
 嫌な予感が当たれば、二人が仕掛けた罠にかかってしまった。コトブリー達はそれにやられてしまい、兄もドウセツもいずれかは……。

「させるかあああああああああ!!」

 この世界はゲームの中だから息切れはしない、常に全力疾走することも可能だ。だけど、二人がいる場所は一時間かけて歩いた距離。間に合うかどうかわからないけど、間に合わなければ……。
 いや、違う。
 なんとしてでも、間に合わせる!

「アスナ…………」

 兄のことはアスナに任せよう。
 私は、ドウセツを助ける!

「兄のこと、よろしくね!」

 もう一段、もう二段、ギアをかけて力強く地面を蹴り上げ、前へと進み出した。
 失ってはいけない。死んではいけない。何があっても間に合わなければ、助けださなければいけない!

 だって…………。



『センリさん。本当に言わないでくださいよ』
『なんなら契約書みたいなもの書く?』
『そこまでしなくていいです』
『それは残念』
『もう…………最初は本当に成り行きだったんです。ドウセツも成り行きで泊めてくれたと思います』
『うんうん』
『そこで……初めてドウセツの素顔を見たような気がしているんです』
『素顔?』
『ドウセツは気づいていないと思います。だって、寝ながら私に抱きしめて…………泣いていたんです』
『寝ぼけたんじゃない?』
『そうかもしれません。ですが、ドウセツは確かに泣いていました。その次の夜の日も私にすがって泣いていました。もちろん寝ていましたが……』
『放って置けなかっと?』
『泣いているのに、私は素通りなんて出来ませんよ。普段はクールで毒舌、でも不器用に優しくてなんだかんだ言っても私につきあってくれる。そんなドウセツが、夜になると温もりを離したくないように掴んで怯えるように涙を流しながら寝ていました』
『ドウセツの意外な一面ね……』
『意外じゃないかもしれません』
『どう言うこと?』
『本当は寂しがり屋で臆病じゃないかと、弱さを見せず、クールで毒舌になれば独りでも強くて大丈夫だと思えますからね。でも、寝ながら泣いていたドウセツに……確かな弱さが
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