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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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「……大丈夫、恨んでないから」
「そう言ってくれると助かる……」

 そう言えば、昔のアスナって私と似ていたな……。私よりは酷くはないけども、ゲームクリアにかなりこだわっていたようだったし、なによりもアスナはマイペースに攻略する攻略組に対しても、やたらと注意していたな。
 そんなアスナは変わった。そして今、彼女は兄に恋心を抱いている。アスナが買われたのは兄のおかげなんだろう。
 でも私としては、兄にはもう少し変わってほしいところがあるのよね。

「アスナ、お願いがある」
「なに?」

 私達、双子の兄妹の絆は強くて固い。だからって、いつも一緒にいられるわけじゃない。固いから、どんな道に歩み合っても、遠く離れていても、繋がっている。途切れることは絶対にない。
 だから私は……。

「兄のこと……よろしく」

 アスナに任せた。

「それって、どう言う……」
「言葉の通りの意味だよ。アスナはさ、兄のこと好きなんでしょ?」
「な、なななんで知っているの!? わ、わたし教えてないよ!?」
「いや、なんとなくわかった」
「なんとなく!?」
「ごめん嘘。やりとり見て、わかった」
「そうなんだ……そんなにわかりやすかった?」
「そうだね」

 兄みたいな人がアスナみたいな美少女が恋を抱いているなんて、兄にはもったいないって思ったこともあったけど、真面目な話、兄には恋人の存在が必要なんだよね。
 これは、傷つきながらも前に歩いても苦しんでいる。兄を持つ妹からの……願いなんだ。

「兄は……私みたいに人と普通に話せるようになってはいる。だけど……そう簡単に立ち直れるような、浅い傷跡を刻んではない。今もあの日のことを後悔して、自分を許せないはずだと思うの」

 今思えば、全損を賭けたデュエルに私と同じ考えを持って何もしなかったのは、私と同じ考えを持っていたから。
 全部、自分のせいにしたくて、なにもかも楽になって逃げたいと思うところもあったし、兄は自分のせいで私が悲しい思いをさせたことから、何もしなかったんだ。
 相手のことを想っているからこそ、磁石のように反発してしまい、苦しみを分かち合うことなく、お互い背を向けて過ごしていった。
 本来は、私が兄の痛みや苦しみを分かち合いたいところだけど、兄の傍よりもアスナの方が似合うし、アスナなら兄をまかせても大丈夫。

「アスナなら兄をまかせられる。兄もアスナがいれば大丈夫。苦しんでも悲しくなっても暴走しても、二人なら分かち合えたり、引きとめたりできると思っている」

 私はできない。私と兄は双子故に、変なところが似てしまう。似ているから、想い合って反発してしまった。
 似ているからこそ、想いがすれ違いになったこともあった。
 似ているからこそ、仲直りして
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