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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の休息篇
30.神意の思い出
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純白の陽光が容赦なく緒河彩斗の全身を包み込んだ。
陽射しを遮断するために設けられたカーテンは開け放たれており、そこから強烈な紫外線を撒き散らしてくる。
それさえも遮るように再び彩斗は頭から毛布を被り、陽射しを遮断する。
「彩斗くん、もう朝だよ」
意識がはっきりしていない状態で彩斗に語りかけてくる人物がいた。
しかし、朝の陽光に勝てるほどの語りかけではなかった。
よって彩斗は再び、瞼を閉じ、意識をもう一つの世界へと飛ばした。
「彩斗くん……起きろ!!」
「ぐぉっ!?」
巨大な鉄球を落とされたかのような衝撃が腹部を襲い短い言葉にならない言葉が口から洩れた。
「お……おまえ……起こすなら、もう少し……優しく……おねが、いします」
ベッドの上で悶えながら、彩斗は上半身を起こす。
涙で霞む視界の映ったのは、小柄な人影だった。
見慣れない制服を着た女子中学生。
黒に少しだけ茶色の髪が混ざっているショートの活発なイメージの少女だ。
「だって、彩斗くんが早く起きないのが悪いんだよ」
あからさまに機嫌の悪い顔でそっぽを向いて、妹の緒河唯は言った。
ここまでされて彩斗はもう観念して弱々しく溜息をついて、ベッドから起き上がる。
寝癖のついた髪をかき上げる。
時計を確認する。時刻は午前六時過ぎごろ。
「って、まだ寝られるじゃねぇかよ」
彩斗が通う学校へは自転車で大体十五分くらいの距離なのだが、本気で飛ばせば十分未満で到着することが出来る。八時半までに登校していればいいので、大体八時十分までは夢の世界にいることが出来る。
なのに唯は二時間前に強制的に彩斗を叩き起こしたのだ。
なんて妹なんだ、と思いながらも唯の格好を見てその考えは否定された。
「そうか……今日から唯も俺と同じ学校だったな」
「やっと思い出したんだ」
呆れた顔をしながら唯はこちらを向いた。
改めて彼女を見た。紺色のブレザーに無地のグレーのスカート。首元に小さな赤いリボンを着けている。
活発なイメージの唯には少し、大人しめに感じる。
彩斗としては見慣れた制服だが、彼女が着ているのを見るのはかなり新鮮だ。
「って、スカート短すぎないか?」
「え? このぐらい普通でしょ?」
唯はその場で一回転してみせる。スカートの裾がヒラリと舞うが下着が見えることはなかった。
「大丈夫でしょ」
「おまえ、学校ではそんなことするなよ」
大きなあくびをしながら頭を掻いた。
「ちょっと彩斗くんをからかっただけだからするわけないよ」
無邪気な笑みを浮かべる。
「美鈴ちゃんが朝ごはん作ってるから早く降りてきてね」
「りょーかい
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