19章 信也と 詩織の ラブ・ストーリー (1)
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めい)に、泣きそうになったり、
その反対に、男らしく、笑って見せる、岡だった。
しかし、10分とはたたないうちに、
岡は、詩織のことはあきらめて、
詩織と信也を結びつける、
愛のキューピットの役、
パイプの役になることを、
引き受けたのだった。
複雑な心境というのが、
一般的にも、岡の立場のはずだったが、
生まれつき、単純なタイプの 岡には、
その複雑な心境とか、疲れる葛藤とかが、
大の苦手なようであった。
5時5分。
大沢工務店の駐車場に、
川口信也のクルマ、軽のスズキ・ワゴンRが止まる。
走行距離も 5万キロを超えていて、
乗り換えを考えることもある、大学1年のとき、
バイトをして買った、
いまも 愛着のある中古のクルマだ。
大沢詩織の父親は、家や店舗の、
設計、施工、リフォームや販売などの、
工務店を経営している。
「しんちゃん、元気!?」
「元気だよ、詩織ちゃんも、バンドは、うまくいってるの」
「うん、だいじょうぶよ。みんな、気の合う、
いい人たちばかりなの!」
詩織は、隣のシートにすわると、信也に、
軽く、キスして、ハグをした。
「グレイス・ガールズって、名前がいいよな!
グレイス(GRACE)って、
美しいとか、上品とか、優雅とか、
意味するんだから、女の子たちのバンド名としたら、
これ以上ないんじゃないの!?」
「そうよね、優美な少女たち、
神の恵みの、少女たちという意味ですものね。
すてきな名前で、わたしも大好きなの」
≪つづく≫
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