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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交響
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、目的地があったわけではない。
あろうはずもない。
しかし己の足は、あらかじめ目的地を知っているかのように、気ままのように見えてその実半自動的に動いていく。
ともかく、明確な目的地が―――少年は知らないが―――あるということは、少なからず少年を安堵させた。
真っ暗闇の中で彷徨う事が、人間の精神構造上どれほど危険な事かは薄々理解している。
ウサギではないが、人間は《寂しさ》で死んでしまうのだ。
歩いていると、ふと気が付く。
少年の胸の高さくらいの空中を、何かぼんやりと光るものがすれ違っていった。
それは、例えるなら光るボールだった。手のひらに乗るくらいの、小さな小さな灯火。
それがふわふわと空中を漂い、道路の端を歩いていく。
その数は一つではない。
少年が瞬きをした瞬間、辺りは光の玉が幾つも漂っていた。
その全てが、何の規則性もなく動いている。唯一の共通性といえば、それらの中で止まっているものがいないことだろうか。
一応は道路に沿い、たまにビルの中に入ってく。
その様を見、少年の脳裏に閃くものがあった。
あれは、人だ。
一つ一つが、命ある人間なのだ。
だとしたら、途端に光球達の動きの規則性が浮かび上がってくる。
道路の橋を歩いているのは、おそらく歩行者だろう。そして真ん中で、歩行者とは明らかに別格の速度を出してすっ飛んでいくのは、自動車に乗っているからだろうか。首が痛くなるほど天高く屹立している高層ビルのフロア一つ一つには、よくよく見れば仕事中と見える幾つもの光球が伺えた。
「――――あぁ」
現実世界だ、と。
少年はため息をつくように、囁くように呟いた。
どうしようもないほど、現時世界だ。
これ以上もないくらい、現実世界だ。
人が生き、過ごし、死んでいく世界。
人と人とが、繋がりあっていく世界。
少年は目を閉じ、そして開いた。
足が、止まっていた。
「よお」
「やあ」
交わされた挨拶は、それだけだった。
いつの間にか、周囲には何もない。漂う光も、線で完成された世界も、全部が無かった。
ただそこには、元いた闇があった。
いや、一つだけ違うか。
そこには、あの世界と入れ替わるように出現した、一人の少年がいた。
先ほどまで彼の
模造品
(
コピー
)
と、命を削りあうような戦闘をしていたというのに、しかしその顔は全く違うものに見えた。やはり、中身が全く違うからだろうか。
長めの前髪の奥。
闇をそのまま反映したような黒髪の奥の目は、どこまでも見通しているかのようなそこしれない黒と、そして透明さがあった。
黒水晶みたいだ
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