コイツはヤバい。いやマジで
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ならコレに少なくとも私たち以上には対処できると言う事です。私はあまり高度ではありませんが回復魔法が使えます。セイトさんが来るまではこの手の攻撃を受け流すだけで時間を稼ぎましょう。」
成程、良い策だ。
あの野郎に頼るのは微妙に癪だが、餅は餅屋と言うからな。任せておこう。
「よし分かった、やるぞ。」
そう言って「武器庫空間」から大剣を取り出して構えた瞬間。
『ズガッ』という音が馬車を挟んで向こう側から聞こえ、同時に水の手が消えた。
side end
音と共に、体が音を立てて倒れる。
俺は驚きのあまり声が出せなかったし、体も動かなかった。
「・・・・ね、ネーナさん・・・?」
そう、倒れたのはネーナさんではなくカゲツグだ。
ネーナさんが一瞬で弓を引き放ったのだ。
しかも、普通の矢でなく弓を引いた瞬間い現れた謎の光る矢で。それを喰らったカゲツグは宙に浮き、走り出す前の場所程に離れた所まで飛んで倒れた。
「アーチャーのスキル、『魔導弓』です。魔力を込めて弓を引くことで、魔力でできた矢が撃てます。」
そう言って弓を降ろしたネーナさんは俺に微笑む。
「結構レアなスキルで、体質によって覚えられる人とそうでない人がいるみたいなんです。その代り『威力型』、『速度型』、『多量型』など何種類かの矢の中から選んで撃てます。今のが『威力型』です。」
そう言った後、「まぁ、私は魔力が少ないので2〜3発しか撃てない奥の手的な存在なんですけどね?」と苦笑するネーナさんだが、苦笑する必要もない程便利なスキルだと思った。
「いえいえ、十分凄いですよネーナさん。今の矢確実に野郎の心臓に減り込んでましたし、倒せたじゃないですか。」
そう言って、照れくさそうにしているネーナさんと共にサリナ達の方へ向かおうとした瞬間だった。
「成程、アンタの言う通り一筋縄ではいかない訳だ、夜集阿クン・・・・。」
その声と共に、カゲツグがいきなり馬車の前に出てきた。
「な・・・・・!?」
有り得ない。
コイツはさっきまでそこで倒れてたし、その時確かに心臓に矢が刺さってた。死んでない方がおかしい。
万歩ゆずって死んでなかったとしても、倒れてた場所から馬車までかなりある。幾ら早くてもあんなに早くに来るのは無理だ。
驚愕する俺達を他所に、カゲツグは今までとは明らかに違う鋭い雰囲気で言葉を紡いだ。
「そうかい、分かったよ。君らがソコまで厄介なら、俺も奥の手を使うとしようか。」
刹那、馬車の下から無数の黒い槍が俺らに襲い掛かった。
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