暁 〜小説投稿サイト〜
転生者の珍妙な冒険
コイツはヤバい。いやマジで
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「せ〜いか〜い♪」
突然聴こえた声に慌ててその場を飛び退く。そして振り返ったその場所にいたのは・・・
「忍・・・者・・・・・?」
真っ黒い忍び装束に身を包み、グラサンのようなものをかけるという全身黒ずくめの男が立っていた。
その忍者(?)は笑いながら口を開く。
「あ、この服の意味が分かるってことは間違いないね。初めましてだ、夜集阿 聖斗クン。」





少しの間、睨み合いが続く。
いや、相手はニヤけてるから、睨んでるのは俺だけか・・・。
「アンタ、何で俺の名前を知ってる?」
「っと、怖いな〜。そんな睨まなくてもいいじゃんよ。」
そう言ってまだヘラヘラと笑う男。いい加減ウザくなってきた。
「だから「おぉっとそうだった! 自己紹介がまだだったな、申し訳ない!」・・・・・あ?」
何をふざけた事を言ってんだコイツは・・・?
そんな思いで睨んでる俺にも一切怯まず、男は自己紹介を続ける。

「俺の名前はカゲツグ、倭国生まれの冒険者だ。ランクはA−で、ジョブはアサシンだよ〜。」

「え・・・・カゲ、ツグ・・・・ですって・・・!!?」
奴の自己紹介に真っ先に反応したのは、以外にもネーナさんだった。
「何か知ってんのか、ネーナさん?」
「えぇ・・・・、3年ほど前にかなり世間を騒がせた冒険者・・・・いえ、『元』冒険者です。」
「元・・・?」
つまり、今は冒険者じゃないのか?
でも何で? 滅多な事じゃギルドを強制退会なんてならないし、メリットの多い仕事を自分から辞める意味もない。
「おやおや、聖斗クンは分かってないみたいだね〜。そこのアーチャーのお嬢さん、教えてあげなよ〜♪」
明らかに馬鹿にした口調、腹が立つ・・・。
まさかこの嫌な性格と口調で有名とかじゃないよな・・・?
俺のその冗談じみた思考も、ネーナさんの次の言葉で吹き飛んだ。

「彼は、3年前に受けたとある依頼で、村を1つ壊滅させ、住民をも皆殺しにしたという咎でギルドから退会させられた男です。」

「村1つを・・・壊滅!?」
無茶苦茶な事しやがる・・・、異常者か?
「えぇ、それに、退会してからはギルドや国家に様々な悪質的行為を行っていたので、『危険人物』として討伐隊を組んで確かに殺したはずだったのですが・・・・。」
「ところがどっこい、俺は生きてた!!」
ネーナさんの話を遮っていきなりまた話し始めた男。今気付いたが、コイツは常に目は一切笑っていない。
その目は常に冷静に相手を分析している。
いや、最早冷徹と呼んだ方がいい部類だ、これは。
隙もないし、何かあれば間違いなくコイツは俺らを殺そうとしてくる。
ヤバい、コイツはヤバい。
完全に異常な奴だ、取る手を間違えたら俺らの中の誰かも死ぬかも・・・。
「俺は何とか生き延びて、『ある人』
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ