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雪雨の中で
第八章
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 隆博と敦子もここで二人顔を見合わせる。
「いいと思うけれど」
「雪の中っていうのもロマンチストだし」
 二人は雪にそのロマンを見ていた。
「それじゃあ。僕達も」
「それでね」
「よし、じゃあいいな」
 丈瑠は二人の言葉も受けた。
「そういうことでな」
「四人でデートかあ」
「雪の中で」
「私が言うと様にならないけれど」 
 優子は少し苦笑いを浮かべてから三人に告げてきた。
「そういうのもいいわね。ロマンチックで」
「優子がロマンチックか」
「何よ。おかしいの?」
「いや、いいさ」
 丈瑠もそれをいいとするのだった。
「じゃあ。行くか」
「うん、それじゃあ」
「行きましょう」
 隆博と敦子が頷いた。
「雪の中のデートに」
「四人でね」
 四人は笑顔で頷きあいそのうえで歩きはじめた。雪は彼等を優しく柔らかく包み込むかの様に降り続けている。その中を静かに進んでいくのだった。


雪雨の中で   完


                2009・8・30

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