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雲は遠くて
8章 美樹の恋 (その6) 
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には、
やさしい感触(かんしょく)で、心地(ここち)よかった。

神道(しんとう)って、日本では、古来からあって、
大昔(おおむかし)からあったじゃん。
自然が神さまっていう、自然崇拝(すうはい)の思想だよね。
ちかごろじゃ、人間は、自然を(こわ)して、
自分の欲望のままに生きいるけど。

おれ、大昔の人間のほうが、優秀つーか、偉かった気がする。
自然を(とうと)び、崇拝(すうはい)するっていう点では。

自然の中の生命の(いとな)みや、動物や植物とか、
山や森や海や岩とかにも、神の力を感じて、
(おそ)れ、(おのの)いたっていうからね。

現代人は、自然を征服(せいふく)したつもりでいるけど、
どちらの考え方が正しいのだろうね。美樹ちゃん。
おれは、古代人のほうが正しいと思うよ」

「わたしも、古代人かな。(はる)ちゃん、すごいよ。
哲学ばかりじゃなくて、宗教も(くわ)しいんだね」

「宗教も、思想だからね。興味があるんだよ」

「ふーん」

≪つづく≫ 
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