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Fate/EXTRA〜もう一人のアーサー王〜
始まりの予選
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しかし、そこに生きた人なんていなかった。ただ目に映るのは目の前に飛んでくる槍のような形をした人形の腕。あぁ、そっか…皆…こいつにやられたのか…。

ガァァンッ!!

死を覚悟し、瞼をぎゅっと閉じていた俺だったがいつになっても俺に死は訪れない。恐る恐る目を開けると、そこには攻撃したはずの人形の腕が俺の後を付いてきた人形によって弾かれる姿があった。

そういうことか、この人形は元々俺を守る為に…。しかし、そんな事を思っている暇は無かった。 俺を襲った人形は宙高く舞い、俺の人形を踏み台にし距離をとった。

相手は人形。だけど、油断していると死ぬ。この駆け引きの中で俺はこう思った。

おいおい、これ生き返らない方が良かったんじゃないのか?


俺の味方をする人形は俺より前に出て、相手の人形の出方を伺う。しかし相手も動く気配はない。敵も慎重にこちらの様子を見ているといった感じだろうか。

とにかく戦わせて勝てば良い、なんて簡単な話ではないだろう。相手だってさっきの動きからするに相当強い。この部屋の生徒を殺したのはたぶんドール(アレ)で間違いない。とすると、下手にこっちが仕掛けたら簡単に返り討ちにあう。

ここは相手が仕掛けてからのカウンターで…。俺はそう決断すると前に立つドールにか細い声でこう言った。

「おい、人形。相手が向かって来たらカウンターするんだ。下手に攻撃するな」

すると、ドールが頷いた。言葉が通じるか不安だったがどうやらその心配もなさそうだ。ふぅ…と溜息を吐くと、敵へと視線を移した。さて、ここからが本題だ。

相手がどんな動きをするか、だ。この部屋の人間を皆殺しにする程に強い訳だからこんな手をとってもすぐに対処される。じゃあどうする?答えは簡単。二段構えだ。


その時、相手がタイミングを見計らったかのようにこっちへと突っ込んで来た。人形が構える。俺も覚悟を決めて、構える。

敵はドールに向け、自分の槍のような腕を突き出す。が、ドールはその攻撃を半身で避けると自分の腕を相手の胴体へと叩き込む。しかし、ドールはそんな事をものともしなかった。敵はそのまま体勢を低くし、ドールの攻撃を避けると自分の体を軸にしドールの足を払った。

ガシャンと音を立てて倒れるドール。止めを刺すべく敵は立ち上がると、俺のドールへと一撃を加えようとする。


が、そこが狙い目だった。相手がドールに意識が向かってる内に、俺はその敵に向かって全力の一撃をぶつけた。

ガァァァン!!

俺の拳は見事相手の顔面へと直撃し、相手はよろけた。

「ッ!?」

しかしそこで二つの誤算が生じた。相手の体は予想以上に硬く、拳に激痛が走ったこと。そして、相手の反応は予想以上に速かったこと。敵は俺に殴られるとすぐに体勢
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