始まりの予選
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「あ…れ?」
気がつくと俺は部屋にいた。灯りもなく、色々な物が散乱した部屋に俺はいた。不気味な所だ…。特にその根源を作ってるのは扉の近くに置いてある人形。俺と同じくらいの大きさの人形が壁を見て佇んでいる。
早くここを出よう。嬉しい事にあんなに痛かった頭痛が嘘のようにひいていた。これならいつも通り動けるし思考できる。
俺は人形になるべく意識を向けながら、その部屋を早々に立ち去った。
目の前に広がる光景は真っ暗な世界。一本の道が明るく光り、その先へとずっと来訪者を誘っている。脳内が若干混乱する。怪しさ満載なのは分かったが、どの道行動を起こさない限りはここにずっといることになる。それは御免だ。
俺は光の道を走る。この先どんな事が起きるかは分からないけど、今のこの状況を変えてくれるならまだマシだ。夢中に走る俺だったが、俺の足音の後でガシャガシャと音が聞こえてきた。
最初は気のせいだと思い走り続けるが、どうもこれは気のせいではないようだ。走りながら、俺は少しだけ後ろの方を見た。
「ッ!?」
そこにはさっきの部屋にいた人形が俺と一緒に後ろで走っていた。ここで俺の顔は真っ青になった。誰が人形が動くと思う?誰が人形が走り出すと思う?あぁ、思わない。だから俺は人として当たり前の反応をした。
「ぎゃああああああああああああああああああ!!」
全速力で逃げた。俺の人生の中で一番って程に。だが、人形は俺の全力を物ともせず付いてきた。自慢ではないが俺は普通の奴よりは運動がそこそこ出来る。速さには自信があったのだが それに付いてくる人形もなかなかなものだった。
数分後、俺は大広間のような場所へと辿り着いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
息も途切れ途切れに膝に手を着く俺。後から人形もガシャガシャと音を鳴らして立ち止まる。どうやらこの人形は俺に危害を加えるつもりはないらしい。もし、危害を加えるならば俺は既にここにはいないだろう。
少しずつだが息が整ってきた。これなら多少走っても大丈夫だ。そう思い顔を上げた瞬間だった。
「……っ!!」
広間には沢山の死体が転がっていた。この学校の生徒なのだろうか、男子女子関係なく、顔からは血の気が引いてピクリとも動かない。衝撃の光景に目を疑った。口を手で塞いだ。目の前で起きた事がありすぎて何をどうすれば良いのか分からない。
俺はとにかく死体の方へと駆け寄り、一人ずつ息があるかどうか確認していく。死体に触れる度にその冷たさが伝わってくる。
そして、次の人へと向かおうとした時視界の端で何かが動いた。
「誰かいるか!?」
俺はそう呼びかけた。もしかしたら、声を出せない程に重症をおった人かもしれない。俺は急いで動いたと思われる場所に向かう。
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