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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の休息篇
29.宴後の一時
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させてもらうだけで顔を真っ赤のしちゃうなんて彩斗くん可愛いわね」
美鈴がこちらを面白いものを見る目で見ている。
「うるせぇ!! それにこれはあの人の体質なだけだ!!」
「そうね。慎治くんもちょっとしたことで顔を真っ赤にしちゃって可愛かったもんね」
緒河慎治──彩斗と唯の父親であり、美鈴の夫。本来なら絃神島で彩斗と暮らしているはずなのだ。しかし、お前はもう一人でやっていける、という謎の言葉を残して旅に出たデタラメな人なのだ。
そんなことをしているのに美鈴はいつものことだからと笑っていた。
まぁ、そんな適当な人だから彩斗は自由に暮らせているというところもある。仕送りもちゃんとされていることから彩斗は特に不満はない。
話を戻すが元々、彩斗がちょっとしたことで顔を真っ赤に染めてしまうのは、緒河慎治の体質を受け継いだせいなのだ。
「彩斗君のバカ……」
「誰がバカだ!?」
「ちょっとこんなところで騒がないでよね。妹として恥ずかしいよ」
なんか理不尽なことで怒られたような気しかしない。
「もういいよ。とりあえず俺が謝ればいいんだろ」
彩斗はもうどうでも良くなってきた。机に今度こそ突っ伏したのだった。
夕方──
真っ赤に染まった陽射しは、日中とは違った意味で彩斗を苦しめる。
「もう帰るのかよ」
彩斗は大きなあくびをしながら頭を掻いた。
「ええ。もともと二日目には帰るつもりだったからね」
美鈴は少し寂しそうに口を開いた。
絃神島中央空港は、二日前に比べれば、そこまで旅客はいない。代わりに帰宅する人の方が多いようだ。
「折角だし、二日目の最後の花火くらい見てけばいいのにな」
「あたしも見たいけど流石に学校とかあるからね」
唯が残念そうにしている。波朧院フェスタの二日目最後のイベントはかなりの見物だ。
「それなら仕方ないですね。もう少し彩斗君のこととか聞きたかったんですけど」
友妃も別れがさみしいのか少しうつむいている。
「大丈夫よ、友妃ちゃん。これで会えなくなるわけじゃないしね」
「そうだよ。この人なら突然現れるとか多々あるからまた近いうちに会えると思うぞ」
「実の親をこの人呼ばわりなんていい度胸になったわね、彩斗くん」
「はい。すみませんでした!」
速攻で彩斗は頭を下げた。
皆から笑みがこぼれた。
さみしい別れよりも愉しい別れの方がいいだろう。
「それじゃあ、もうそろそろ行くね。雪菜ちゃんたちにもよろしくね」
「伝えとくよ」
美鈴と唯は笑顔で手を振りながら人の群れの中へと消えていった。二人が消えても友妃と夏音はそちらを見続けていた。
彩斗とし
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