6章 信也のマンション (その2)
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
信也のマンションは、清閑な住宅地にあって、
3階の1番端で、駐車場も駐輪場やバイク置場もあった。
清原美樹と、小川真央は、
ふたりとも、ロングのボリューム・スカートに、
ブラウスやTシャツを重ね着したりして、
秋向けの女性雑誌に載っていそうな優雅な雰囲気だった。
ドアを開けた信也は、そんなふたりを前に笑顔で、いまさっき、
いったように、また、「よォ!」といった。
「深まりゆく秋って感じの、ロングスカートで、
おふたりさん、なかなか、色っぽいじゃん」
そんな自分の言葉に、照れて、
信也は声を立てて、笑ってしまう。
「ありがとう」と美樹はいってほほえむ。
「ありがとう。わたしはミニスカートで来ようかと思った」
と真央はいい、信也と目を合わせて、わらった。
「ヒイェー、もし、ふたりとも、超ミニスカートなんかだったら、
おれは、目のやり場に、困るし」
三人は、また、わらった。
美樹の目のきわの、あわいブルーのアイシャドウ。
真央のほおのオレンジ系のチーク。
信也は、ふたりが精いっぱいの、よく似合う、かわいい、
おしゃれをしていることを、瞬間に、感じた。
美樹は身長が158だから、真央は160くらいなのかな、
そんなことも、一瞬のうちに、信也の頭を過った。
「まあまあ、早く、入ってください。おれの新居っす」
「おじゃましまーす」と、同じことを、
ほとんど、いっしょに、美樹と真央はいう。
「テレビ・モニター付きなんて、女性にも安心ね」と、真央。
玄関を入ると、まあたらしい、ふわふわした芝生の
感触の、楕円のグリーンのフロアマットが
敷いてある。
玄関の右側には、白いシューズボックスがあり、
靴を脱いであがると、玄関フロアの右隣には、
トイレがある。
玄関フロアの、正面のドアは開いていて、
その向こうは、9.5畳のダイニングがある。
ダイニングには、買ったばかりらしいテーブルと、
心地よさそうな背もたれのついた椅子が、
4つ置いてある。
美樹と真央は、さっきまで、ふたりでお茶をしていた、
池の上駅前の、スリーコン・カフェで買ってきた、
特製ピザトーストとかを、テーブルにひろげた。
「しんちゃんのご注文の、ドッグ・ハムチーズセットも、
おいしそう」と美樹。
「お、ありがとう。いま、おれ、コーヒーでもいれるから」と信也。
「わあ、こっちはキッチンなのね。今度来たときには、
わたしたちで、何か料理つくってあげなければね」と真央。
「うん」と美樹
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ