由実「葉山君って、本当に変わってるよね」
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た事に気付いた。あの違和感、やはりいつも俺が受けているのと同じ……!
計算された展開、態度、結果……心当たりがありすぎて、自分を否定する自信が無くなってきた。
「意外とイケメンなのに妹にゾッコンな……」
「うっせぇちょっと黙ってろ!」
気付けば声を張り上げてしまっていた。というか、今の台詞はだいぶヤヴァい奴だろ。
「あぁ?誰だこいつ」
「この姉ちゃんの彼氏か?」
「彼氏じゃねぇよ。被害者だ」
とはいえ、こんなんでもクラスメイトだ。チンピラ達に連れ去られたりしたら、学校の問題になってしまう。とりあえず、時間だけでも稼ぐ。後は誰かが通報してくれるしか無い。
方針が定まった俺は、まず女性――本山由実に話しかける事にした。
「で、これは全部お芝居か?」
「さあ、どうでしょう?」
誤魔化す気かよ。材料は揃ってるってのに。つか、俺が話しかけたらすげえ余裕な顔し始めやがった。あいつ、マジで狙ってたぞこの状況。
でも、何が目的だ?何でわざと捕まるような真似をしたんだ?
「今、何でわざと捕まるような真似したんだ、って考えてた?」
「どうだろうな。で、お前こんなところで何やってんの?」
チンピラ達が空気になっているが、こっちは後回しだ。つか、俺に何か出来るわけじゃないしな。
そんな中、チンピラ達に囲まれている本山は、やはり危機感を覚えていない風に、ニコリと笑って見せた。学校で見せるものと全く同じだった。
「葉山君が助けてくれたら、教えてあげる」
だが、奴の口から吐き出された言葉は、これからの俺の行動に制限を掛けた。
本山は、自分が女であるという点を利用して、助ける以外の方法を封じたのだ。相変わらずタチが悪い。
が、そんなものが俺に通じるとでも思ってんのか?彼女いない=年齢な俺が、そんな大それた行動をぶっつけ本番で取れるとでも考えたのか?なら、それは間違いだ。
俺は、本山と呆けた顔をしているチンピラ達に堂々と宣言する。
聞き間違いだとか、空耳だとか言わせないために、バカでかい声で、じっくりと聞かせてやる。
「なら……別にいいや」
その瞬間、空気が凍った。
俺の返答に、本山は目を丸くしている。チンピラも同様で、互いに「は?」という顔をして俺を見つめている。
どうやら、俺が条件を拒否するとは考えていなかったようだ。まぁ、そりゃそうだよな。同じクラスの女子がピンチなのに後ろ向いて逃げるとか、ガチな外道だし。
だが、俺の意向に変更は無い。第一に、何故奴を助けなきゃならない?こっちは学校で憎まれ口を叩かれてるぐらい評判悪くされたんだぞ。助ける理由が無い。
「ちょっと
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