第二章
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も知れないがな」
「負けるの?この戦争」
「イタリアは昔から戦争には弱いんだ」
といっても彼にしろ知っているのは前の戦争だけである。前の戦争ではドイツとオーストリアを裏切ったのだがその相手に盛大に負けているのだ。しかしドイツとオーストリアがイギリスやフランスに降伏したので何とか勝ち組には残ったのである。戦争には惨敗であったが勝ち組には残ったのがイタリアらしい。
「だからな。今度は」
「危ないのね」
「運がよかったらまた勝ち組だろうけれどな」
実際に運がよかったというよりは口八丁手八丁で生き残ることになる。しかしこの時はまだそれはわかってはいない。何しろ戦う度に捕虜を大勢出すわパルチザンに殴られた兵士が泣き出してその為にパルチザンが扱いをよくしたという話まであるのだ。とにかくその戦争での弱さは折り紙付と言っていいものであった。
「まあ何があっても生き残るさ」
「イタリアは?」
「イタリアだぞ」
父は言った。
「何があっても生き残るさ。あいつもな」
「フランコも」
「そうだ。だから御前はここで待っていろ」
「ええ、待っているわ」
ひまわり達を見て答える。答えながらも見ている。そうしてフランコを待つのだった。
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