いいことを思いついた・・・!
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「・・・あ♪」
キュピーン!
そんな音がした気がした。それまで幸せそうな笑顔で、弁当をパクついていた鈴蘭が、この上なく怪しげな顔で笑い始めたのだ。
瞳も輝き、時折クックック・・・と笑うその様は、明らかに悪いことを思いついたという姿であった。
「・・・・・・ど、どうしたんだよ・・・?」
当然、近くにいた護堂たちはそれが気になって仕方がない。彼自身としては、余りにも厄介事を思いついた感じの鈴蘭に話しかけたくはないが、ここで放置しておくと後が怖い。彼女が思いついたことに、完全に巻き込まれる運命しか見えないのだ。
それならば、彼女が何を思いついたのかを今ここで問い詰めて、自分の不利益になるようなら真っ向からNOを叩きつければいい。自分は、NOが言える日本人なのだ、と彼は考えていた。
甘い。
砂糖菓子のように甘い考えである。
獲物を目の前にした獣が、説得をされたからといって立ち去るだろうか?少なくとも、言葉では聞いてもらえないだろう。暴力により、自分は容易く喰われる存在ではないと教えなければならない。
そして、面倒くさいとは思っていても、別に嫌っている訳ではない鈴蘭に対して、最初から暴力でいうことを聞かせる、という選択肢を最初から除外している彼に、鈴蘭の魔の手から逃れる術などなかったのだ。
エリカや祐里は、そもそも鈴蘭に意見する、という意思がないし。
「うん、そうだそうだよ!なんでこんな簡単なことに気がつかなかったんだろう!」
そんな彼らが見つめる先、鈴蘭は自分の考えにとても満足したようで、その素晴らしい笑顔を護堂たちに向けた。それは、事情を知らない人たちが見れば、見惚れてしまいそうな笑顔だが、当事者たちから見れば、自分たちを破滅へと引き込む悪魔の微笑みにしか見えなかった。
「コンクリ詰めにしちゃおう!」
『・・・・・・・・・は?』
しかし。しかしである。
彼女が何を言い出すのか、数通りのパターンを考えていたエリカでさえ、彼女の一言は意味不明であった。
この一言が何を意味するのか。護堂たちは、次の言葉に恐れおののくことになった。
「そもそも奴らは、私たちの土地にやってくる侵略者な訳だし?ぶっちゃけ、手心を加える必要なんかなかったよね!いい加減面倒臭いし、皆で囲んで凹って、コンクリ詰めにして東京湾に沈めて来よう!昔から、不死者に対する究極の対抗策は封印か世界からの追放と相場が決まっているからね!」
いくら彼らが護堂に興味あるからと言って、彼らが護堂一人を差し出す必要がどこにあるのか?何故わざわざ、厄介事を持ってくる疫病神相手に、下手に出る必要がある?希望を叶えてやる必要性などどこにもない。
「【|鋼の加護《マン・オブ・スチ
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