第一部・紅魔郷〜瀟洒なメイドの小さな願い〜
霊夢と魔理沙の魂、強制召還。
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「よっと」
暗基はスキマから出て、地面に降り立った。そこは木々がうっそうとしていて、いかにも妖怪たちの住処です、とでもアピールしているようだった。
「うわぁ、すげぇ……。そして気持ち悪いくらいに悪い霊気が充満してやがる……」
暗基の能力『霊力を開放する程度の能力』が、この森の危険性を物語っていた。
「まぁ、探索はやることを終えてからにするとして、まずは」
そういうと暗基はスキマの中で渡されたカバンから、藍から託された祈祷棒と八卦炉を取り出す。その2つは相変わらず何かを暗基に訴えかけてきた。
「声が聞こえるんだから、声をかけることだって出来るだろ」
そして暗基は祈祷棒と八卦炉に力をこめる。すると、なにかが少しずつ、形を成していった。やがて、祈祷棒からはとある巫女、八卦炉からはとある魔法使いが亡霊のような姿で現れた。
「えっ、ど、どうなってるの、これ!!?」
「なにがなんだかさっぱりなんだぜ!!?」
2人はどうしてまたこの姿でたっているのか、まったくわかっていない。その中で暗基は、
(よし、うまくいった。これで意思疎通を図れる!)
と、一人心の中でガッツポーズをしていた。さっそく話しかける。
「なぁ、お2人さん」
「誰!?」
「うおっ!? 誰だ?」
2人は、当然ともいえる反応をしてくれた。暗基は1から説明をしていく。
「お前らが、博麗霊夢と、霧雨魔理沙だな。おれは暗基零。外来人、つまりこの幻想郷の住人ではない者だ」
それに対し、霊夢と魔理沙は特に驚く様子はなかった。
「……、私たちのことは、紫から聞いたの?」
「あぁ。そうだ。おれは紫から、『幻想郷を救ってほしい』と頼まれ、この幻想郷に来た。異変を起こしているのが、どうやらおれの身内みたいでな」
そういうと、魔理沙は何か引っかかったのか、
「ん、ってことは、優理亜の弟なのかお前!!?」
「あぁ。姉の優理亜がいつも世話になってる」
優理亜の弟だと聞くと、霊夢と魔理沙は安心したのか、
「そう、あんたが、『幻想郷の希望』ってずっと紫が言ってた人なのね」
「そうか……、優理亜の弟か……。言われてみれば目とか似てるな」
安堵したような反応をしてくれた。
「まぁ、そういうことだ。で、これからが本題だ。まず、お前らを呼び出せたのは、おれの能力である『霊力を開放する程度の能力』を使って、霊夢が封印されていた祈祷棒、魔理沙が封印されていた八卦炉に宿っていたお前たちの霊力を解放して、こうしてほぼもとの姿で呼び出すことが出来たんだ」
「なるほどね。それで? 私は貴方に封印されたときの状態を教えてあげればいいの?」
さすがは霊夢。するどい。
「あぁ。出来る限り、詳しく教えてくれ」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ