暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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が、ギーシュが「説明してあげたじゃないか!」と嘆きの声を上げた。それさえも無視され一人勝手にいじけたのだった。
船は。動かすために必要な燃料と言える石、『風石』が足らないと言う話が船長から挙げられたのだが、足りない分はワルドが自分が補うと名乗りあげたそうだ。少し船が卵の匂いがした。ワルドによると、この船には黄金並みに値が張るほど高値をつけた硫黄を積んでいるとの事らしく、弱若干卵臭い匂いがするのはそのせいだった。
サイトは舷側に立ち、左腕を押さえながら流れる景色を眺めていた。そこにルイズがやって来る。
「夜にはスカボローの港へ到着するそうよ」
「そうか。みんなは?」
サイトはふと、自分たちの乗っている船の甲板を見渡す。キュルケは、ちょうど目についた男性を落とそうと色仕掛けで話しかけている。ギーシュも相手が女性と言う点ではほとんど同様だ。タバサは相変わらず本を読んで大人しくしている。彼女の使い魔シルフィードは船の隣を羽ばたいている。久しぶりの大空を飛べたことが嬉しかったらしいとタバサは後に語った。
「相変わらずね…」
「だな…」
呆れてため息をつくルイズに、サイトも同調した。
「それに引き換え、あんたはいつもとどこか違うわね?」
そう言うと、ルイズはサイトをじっと見る。熱っぽい視線では決してない。何かを怪しんでいる他、サイトをどこか心配しきってもいた。
「一体どうしたのよ。ギーシュたちも気にしてたけど、昨日の夜からあんた、すごく不機嫌そうじゃない」
顔にまで出ちゃってたのかな…。サイトは自分が今不機嫌な理由を明かす。
「昨日の、ウルトラマンゼロのやったことが、あんまり許せなかったみたいでさ…」
「そうね。私も…」
ルイズも先日のゼロの、結果的にとはいえラフレイアを爆破させたことで街に甚大な被害を与えたことに怒っていた。
「…あんたには悪いけど、あんなの見たらとてもじゃないけどウルトラマンのことを信用できないわ。街を滅茶苦茶にしたんだもの」
ルイズがこういうのも致し方ないだろう。この世界では、まだウルトラマンの存在は認知されたばかり、それもまだインターネットどころか電話線さえも張り巡らされるほど近代的な発展を遂げてないから世界的に見てもごく一部しか知らない。どこかで一度でも悪いイメージが付いたら、たとえその前に英雄的イメージがまとわりついていても、場所によって見る目が180度も異なってしまう。
『…』
ゼロも、ルイズの意見を聞いていた。サイトがこうして表に出ている間も、嫌でも聞こえてしまうのだ。さっき、崩壊したラ・ロシェールの人たちの自分に対する怒りの声も、その身に受け止めさせられた。
「そう、だな…」
「あら、意外ね。そんなことない!って言ってくるって思ってたのに」
やはりどうも、サイトの様子はおかしい。サイトとしても
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