暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
用心棒‐グレンファイヤー-part1/アルビオンへ
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を助けたとしても、この人は自分の身の安全について考えたことがあるのか?
「なぜ俺を見る?」
「え?」
声をかけられて彼女は我に返った。いけない、考え事をしていたらかなりボーっとしていたようだ。
「おやおや、テファ。いくらなんでも気が早いんじゃないかい?前にも言ったけど、見てくれは確かに色男だけど、もしかしてやっぱり…」
まるでテファがシュウに熱のある視線を向けているかのように言ってきたマチルダ。面白そうにくすくす笑っている辺り、テファをからかっているのが伺える。…最も、今の重い空気と、シュウの真実に近づこうとしているテファに対する誤魔化しの意味合いが大きかったが。
「そ、そう言う意味じゃなくて!」
マチルダの言っている意味を理解したテファは顔を真っ赤にして首を横に振る。マチルダはこんな冗談を本気で受け止める妹分がかわいく思えてくる。
「あははは!悪い悪い、冗談だよ」
「…姉さんのいじわる」
テファはジトッと細い目で睨む。
「さて…ちょっくら、怪しい奴がいないか外を見て回るよ」
「え、あ…うん」
マチルダは席を立つと、頷くテファを背に一度小屋から外に出た。シュウもこの時のマチルダの行動の意味を理解したが、今は傷の回復に集中しろと言ってくるだろうから、ここで怪我が十分治るまで留まらなくてはならないのだろう。
(情けないな…)
ラ・ロシェールの街。あそこで会ったあの仮面の男は、この村の正確な位置を掴んでいないような言い方をしていたが、それはありえないと考えるべきだ。きっとこの付近には、すでにテファを狙う、アルビオン貴族派=レコンキスタの監視者が徘徊しているに違いない。探しだしてとっ捕まえ、テファのことを知っている奴を洗いざらい吐いてもらい次第、そいつらも同じように捕まえてテファに記憶を消してもらわなければ。見つかるかどうかはわからないが、このまま手をこまねいたままではテファに危険が及ぶ。見つけ次第とっとと締め上げて白状させてやる。
その後杖を持って、マチルダは村の周囲を散策する。しかし、仮面の男が言っていた監視者たちは結局見つからなかった。ただの脅しだったのか、それとも今はまだいないのか…少なくともしばらく警戒することにしたマチルダだった。




その頃、サイトたちはラ・ロシェールから出向する船に乗ってアルビオンへ出発した。サイトは桟橋に来たときはもちろん、船に搭乗するときもだった。桟橋は、何と山よりも大きな大木だった。その内部が繰り抜かれ、建物同然に機能している。さらに、地球にあったような飛行機や地球防衛軍の使う戦闘機ならまだしも、本来海に浮かぶ形の船が、四方八方に伸びたそれぞれの枝には巨大な羽を付けた大型の帆船が吊るされている。そしてこれから向かうアルビオン大陸は空に浮かぶ空中大陸だと言う。この話に驚いたサイトだった
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